[取材ノート] 思い込みはミスの元 / 名古屋
教育、コンサルティング事業を手掛ける、はあもにい(本社浜松市)社長の大野晴己氏が「そのミス9割がヒューマンエラー」を出版した。多くの企業、団体を対象にアンケートやインタビューを行い、ミスの原因や改善方法についてまとめた名著だ。メディア業界の編集にも参考になる。
大野氏は思い込みによるミスについて「インターネットを通じ簡単に情報を得られる現在、中途半端な知識で満足し『こんなものだろう』という理解不足からの思い込みも生じやすくなっている」と指摘する。
プレスリリースの不明な用語を調べる時や、取材の前に事実関係を確認しておく際に、インターネット検索は大変便利なツールになる。しかし、そのまま引用して書くのは危険だ。取材先に確認すると、違っていることもあるからだ。
商品名が会社ホームページとパンフレットで異なるケースもある。思い込みで書かずに、立ち止まってみる。先輩記者に昔教わったことだが、大事なことを思い出させてくれた大野氏に感謝し、本書が多くの方の手に渡ることを願う。
■倉科 信吾(くらしな・しんご)20年10月から尾張支社勤務。最近「夢や願望は潜在意識に浸透させるくらい強く持つことで実現する」という言葉に感銘を受けた。22年は明確な夢と願望に向かって充実した年にしたい。