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[未来を描く・24]杉浦克典氏(スギHD社長)に聞く 売り上げ1兆円規模へ 年間100店ペースの純増で展開 同じ志の企業とコラボも 視野健康維持から終末期までサポート 

未来を描く
新型コロナ下で「病院もなかなか受診できないなかで、お店を頼りにしていただけた」と話す杉浦社長
新型コロナ下で「病院もなかなか受診できないなかで、お店を頼りにしていただけた」と話す杉浦社長

競争が激化するドラッグストア業界において、薬剤師や管理栄養士を擁し調剤併設型のドラッグストア「スギ薬局」を強みに「トータルヘルスケア戦略」を展開するスギホールディングス(HD、本社大府市)。今後、少子高齢化が加速するなか、日ごろの健康維持から終末期医療までの各段階を専門人材がサポートし「医療機関にかかることを極力減らせるような価値を社会に提供したい」と話す杉浦克典社長に、今後の戦略を聞いた。 (聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 

――コロナ禍での巣ごもり需要で2021年2月期は過去最高決算となったが、足元の状況は。

「前期は、コロナ禍によって化粧品など落ち込んだものもあったが、マスクや消毒液といった需要贈が寄与した。今期は、既存店売り上げが上期(3~8月期)と比べると下期は少し厳しい状況にあるようだ。上期はコロナの緊急事態宣言で人が動かないタイミングだったため、必要なものはドラッグストアやスーパーで購入する傾向が強かったが、感染拡大が徐々に落ち着き、お金を使う選択肢が広がった」

「コロナ禍によって改めて気付いたことは、普段の生活を徹底していれば人間は風邪をひかないということ。また病院もなかなか受診できないなかで、お店を頼りにしていただけた」

 

――堅調に推移するドラッグストア業界だが、競争は一段と激化している。10年後の企業像をどう描く。

「日頃の健康維持から終末期医療まで何らかの形で支援する企業体にしたいと考えている。少子高齢化は間違いなく進み、同じような医療を同じ条件でやっていくことがうまくいかなくなるのでは。そのため、医療機関にかかることを極力減らせるような価値を社会に提供したい」

「一つが健康の推進とか予防といった領域だ。もう一つは、介護や終末期医療の領域。患者さまは手術が終わって退院した後は自宅や施設で生活される。そこに何らかの支援ができればと考える。一つは薬剤師や看護師など専門人材が外に出向くサービス。具体的には、在宅調剤、栄養指導や健康指導。介護の領域も、服用中の薬など個人情報が医療機関とつながっているはずなので、その情報を患者さまの同意のもとで連携していく」

「そして、両者の間には軽医療や重症化予防プログラムなどがある。ドラッグストアの店頭では処方箋調剤を提供できる。基本的には軽医療に基づいた薬を渡して服薬指導するが、場合によっては症状もヒアリングする」

 

――各分野での強化策は。

「販売面においては、健康維持ができ、快適な生活を送れる商品の提供だ。サプリメント、医薬品、処方箋調剤も商品。介護や終末期医療でも専門の商品がある」

「もう一つは専門的な人を介するサービス。薬剤師や管理栄養士が活躍する。糖尿病の患者がステージが上がっていくと人工透析となり医療費が年間500万円くらいは必要になる。その一つ手前の、薬で対処できる段階では年間50万円で済むはずだ。ステージが上がっていくと、ある段階で医療費が10倍になる。病気の進行を抑えるにはどうすればいいか、専門人材やサービスで支援できればと考える」

 

――業界ではM&A(企業の合併・買収)を含め再編の進行が予想される。同業他社との連携をどのように考える。

「健康増進に貢献するトータルヘルスケア戦略を掲げているが、ドラッグストア業界では同じ考えの企業も多いはず。同じ志で一緒にやりたい先(企業)があれば一緒にやった方が早い。店舗展開もおいても商品やサービスの開発についてもコラボレーションできればやっていきたい」

 

――今後の出店計画について。新規出店と調剤併設型店舗の割合など。

「閉店も含め、年間100店ペースの純増で展開していく。10年後は2500店になるはずだ。1店舗当たりの年間売り上げが4億円だとすると、単純計算で売り上げ1兆円規模となる。ただ、介護や終末期医療など店舗以外で果たす領域もあるため、実際はもう少し上積みされるだろう」

「2500店舗のうち調剤薬局併設型は8~9割にしたい。店舗形態は基本的には現行のモデルで進めていく。なかには介護や女性特有の疾患などに着目した店舗も検討しているが、それ自体の独立店舗は計画してない」

 

――台湾やベトナムの企業と相次いで業務提携するなど海外にも目を向けている。

「基本方針としては、現地に『スギ薬局』として出店するつもりはない。現地で志を同じくするパートナーがいれば一緒に進める。注力するエリアとしては東南アジアと中国だ。話をいただいているのは、ほかにも数カ国ある」

■2030年に向けたキーワード/人に寄り添う

機械化や人工知能(AI)が力を発揮する時代となった。ただ「それだけでは成り立たない。自分たちの仕事は、医師や患者とのコミュニケーションだ」と杉浦社長は強調する。人の健康をあらゆる面で支援するため、地域や医療機関との密な関係を築くことが一層求められる。

<プロフィル>杉浦克典(すぎうら かつのり)01年岐阜薬科大学薬学部製造薬学科卒、03年ジョンソン・エンド・ジョンソン入社、06年スギ薬局(現スギホールディングス<HD>)入社、11年スギ薬局常務、17年からスギ薬局社長、18年スギHD副社長、21年5月からスギHD社長。西尾市出身。43歳

全文2147文字
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2021年12月6日の主要記事

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