[取材ノート] 読者の視点を常に意識 / 名古屋
以前から取材でお世話になっていた女性下着メーカーが、経済産業省の「事業再構築補助金」に採択されたと聞き、取材を申し込んだ。産業用資材の縫製に参入し、設備費や倉庫の増築費用などで補助金が下りるという。
社長は「1回目の申請では不採択となった」と打ち明ける。戻された事業計画書を振り返り、「素人にも『縫う』ことがどういうことか分かるように書かなければ」と、産業資材用と女性下着用の縫製ミシンの針の太さが分かる比較写真を2度目の申請時に示した。「女性下着の製造技術で、日本の国土を補強する!」というキャッチーなタイトルも社員がアイデアを出し合った。
私も、自分が書いた記事を見て「伝わりづらい書き方や表現だった」とよく反省する。読者の視点が抜けていないか、書くときに常に意識したい。
■黒川鈴子(くろかわ・すずこ)愛知県出身。繊維、流通、食品業界を担当。急に気温が下がったため、クローゼットから湯たんぽと厚手の靴下を引っ張り出してきた。ふかふかの羽毛布団に包まれながら、ぬくぬくと寝ている。