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[未来を描く・19] 明田篤(トビラシステムズ社長)氏に聞く 利用者の評価実感できる会社に 磨いた技術で海外に挑む サービス向上へM&A推進 ベンチャー支援で〝恩返し〟

未来を描く
「自社商品の販売に力を入れる」と話す明田社長
「自社商品の販売に力を入れる」と話す明田社長

システム開発を手掛けるトビラシステムズ(本社名古屋市)。通信キャリアを通じて、詐欺被害を未然に防ぐ迷惑情報フィルタなどのサービスを提供している。通信キャリアを通じたサービスのため、会社として認知度が低いが、明田(あきた)篤社長は「社会に役立っていることを利用者からの声で実感できる会社」を2030年の目指す企業像として描く。本業以外にも、ベンチャー支援に力を入れている。明田社長に今後も現状と今後の取り組みなどを聞いた。(聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 

―足元の状況は。

「当社は通信キャリアと連携した迷惑情報フィルタ事業と法人向けの通話アプリケーションの事業を手掛けている。国の政策により、各通信キャリアから顧客自身が必要な機能・サービスを選ぶ格安プランが用意され、迷惑情報フィルタ事業が多少影響を受けた。しかし、サービスを評価してくれる顧客は多くいて、想定より影響は軽微にとどまった」

「昨年から展開しているオフィス電話への着信を従業員が外部のスマートフォンで受けられる法人向け通話アプリサービス『トビラフォンCloud(クラウド)』が好調に推移している。新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークの導入が進んだことなどが追い風となり、需要が伸びている。今後はサービスの新しい展開も考えていきたい。これまで通信キャリアを通してサービスの販売を行ってきたが、これからは自社商品の販売にも力を入れていきたい」

―起業家への支援も行っている。

「当社の主力サービスに親和性があり、技術的に支援できるベンチャーなどへの支援を検討している。当社には技術者が多く在籍しており、技術的なノウハウや、上場を目指す企業には経営面や上場準備に関する知識を共有することができる。私も先輩経営者に助けていただいた恩があり、IPO(新規株式公開)を目指すITスタートアップを支援することで、恩返しができたらと思う」

―2023年を最終年度とする中期経営計画「Tobila Next(トビラネクスト)」をスタートした。

「トビラネクストでは既存ビジネスの安定的な成長、新規ビジネスの大幅な成長、M&A(企業の合併・買収)の三つの成長の柱を掲げている。既存ビジネスである迷惑情報フィルタ事業の利用者は現在約1300万人で、人口の約10%にあたる。これを限りなく100%に近づけていきたい」

「また、昨年3月にスタートした新規事業の法人向け通話アプリが好調だ。スマートフォンがガラパゴス携帯に取って代わったように、法人のビジネス電話であるビジネスフォンもより良い形があると思っている。市場は大きいので、新しい機能を追加するなどでしっかりと押さえていきたい」

「M&Aについては先日、詐欺被害を防止できる範囲を広げるために迷惑広告をブロックするアプリケーションの開発、運営を行う280blocker(280ブロッカー、本社京都市)を子会社化した。このように社会の安全を守れる技術を持ち、当社の事業と親和性がある会社を探し、M&Aによって、サービスの向上や顧客拡大につなげていきたい」

―法人向け通話アプリの新しい展開は。

「年末に新機能の追加を計画している。現時点で具体的な内容は明らかにできないが、音声通話において、これまで人間が行ってきた作業をコンピューターに任せるといった革新的なサービスになる予定だ。今後は、新機能の開発投資や、自社商品を積極的に販売していくため、広告宣伝に投資していく」

―売上高100億円を目標に掲げている。

「早ければ3年後、遅くても5年以内に達成したい。自社商品の開発、販売のほか、M&Aに力を入れていく」

―システム開発には優秀な人材確保と育成が重要だ。

「売り上げ拡大に伴い、従業員も増やす。現在、14億円程の売り上げで従業員は約70人だが、100億円達成を目指す5年以内には従業員を200、300人ほどにしたい」

「優秀なエンジニアがいれば会社は成長していくと考えており、人材獲得を重要視している。東京都以外の都市で最新の技術を使いながら働けることや上場企業という強みがあり、優秀な人材を獲得できている。育成に関しては、前年に入社した社員が教育するという形式を取っている。この方法でこれまで4世代を育成した実績がある。これからも安定した教育体制を整えていきたい」

■2030年に向けたキーワード/海外に通用する技術を創出

人口減少や高齢化により、内需だけで成長することが難しい環境だ。今後、成功するためには海外が大事になる。日本で磨いた技術を武器に、海外に挑戦していきたいという思いを込めた。

<プロフィル>明田篤(あきた・あつし)2004年に個人事業として起業。06年にトビラシステムズを設立。19年に東京証券取引所マザーズ上場、20年に東証1部上場。同年に東海地区10大学による起業家育成プロジェクト「Tongali(トンガリ)」の特別スポンサーに就任しベンチャー支援にも力を入れる。豊田市出身。

全文2053文字

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