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[中部圏特集]トヨタグループ、脱炭素化に挑戦 工場のCO2削減に本腰 再生可能エネルギーや水素の利用拡大  

中部圏、飛躍へプロジェクト着実に
アイシンはアルミダイカストの溶解炉の省エネ技術を追求
アイシンはアルミダイカストの溶解炉の省エネ技術を追求

トヨタグループ各社が、脱炭素化に挑戦している。各社とも長期的な二酸化炭素(CO2)排出の削減目標を示し、工場から排出される二酸化炭素の削減、太陽光発電など再生可能エネルギーや水素の利用拡大に本腰を入れている。

■熱処理を廃止

デンソーは、大安製作所(いなべ市)に熱処理工程を廃止した樹脂成形ラインを導入し、2020年末から樹脂バルブを生産している。熱処理は、高温下で使われる樹脂部品にとって必須の工程としてきたが、金型の温度や製品の形状を工夫して、廃止することができた。

成形の効率化を含めて5割強の省エネ化を実現し、CO2削減効果を引き出している。今回の樹脂成形は「省エネ大賞」の「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した。

この樹脂成形技術を生み出したのは、同製作所に設けている「キョウソウ特区」だ。製造現場の担当者も生産技術の開発に関わる場所として運用している。あえて製造エリアの中央部に設け、現場の知見を生かしながら量産時の不良などを想定して新たな生産技術を追求している。

特区には樹脂成形の試験機などを設置。樹脂成形に限らず、レーザー焼き入れなどCO2削減に寄与する生産技術開発も進んでいる。

アイシンは、アルミダイカストの溶解炉の省エネ技術を磨いている。

アルミ溶解炉は、金型に圧入前のアルミをガスバーナーで溶かす。これまでバーナーの排ガス温度が600度以上に達するとバーナーの出力を切る仕組みで、エネルギー効率が課題になっていた。

新たな溶解炉は、バーナーの出力に柔軟性を持たせた。炉内の温度やアルミの投入状態などをモニターで把握する。炉内の状態に応じてバーナーの出力を可変する。現在は西尾工場・南棟の7炉に展開している。20年度のガス使用量とCO2排出量は、18年度に比べ15%削減できた。今後は西尾工場の西棟と北棟にも順次展開する。

一層の省エネ技術として、溶解前のアルミの予熱技術の開発に取り組んでいる。IH(電磁誘導加熱)などであらかじめアルミに熱を加え、溶解する直前の450~500度まで温度を高める。IHなど電気式加熱は、ガスバーナーに比べアルミを450~500度まで急速に温度を高められる特性を生かした。実用化できれば、ガス炉を17炉から10炉に、25年度にはCO2を約36%減らせると想定している。ゆくゆくは水素バーナー活用も視野に入れる。

■水素の利活用

豊田自動織機は、生産工程の見直しやエネルギーロスの削減を進め、残った部分を再生可能エネルギーと水素活用に切り替える戦略だ。

欧州拠点で先行しており、このほど産業車両事業の欧州拠点、TMHE(トヨタマテリアルハンドリングヨーロッパ)の21カ国33事業所すべてで、電力の再エネへの切り替えを終えた。また欧州拠点の中でも、スウェーデンを拠点とする、TMHMS(トヨタマテリアルハンドリングマニュファクチャリングスウェーデン)は、19年の時点ですでに工場から排出するCO2をゼロにしている。

水素の利活用にも積極的だ。実証的に活用を進めているのが高浜工場(高浜市)。同工場には、自社で製造しているFC(燃料電池)フォークリフトを38台導入している。使用している水素は自社工場内で生成している。19年に水素充塡(じゅうてん)所「H2PLAZA(プラザ)」を開設。施設には水から水素をつくる水電解装置をはじめ、圧縮機や圧縮した水素を貯める蓄圧器などを設置し、工場内で稼働するフォークリフトに充塡している。また水素を生成するために使用する電力は、工場内に設置した太陽光発電から供給しており、CO2フリーを徹底している。

■廃棄物を半減へ

豊田合成は、廃棄物の低減を進めている。30年までに工場から出る廃棄物を12年度比で半減させる目標を策定した。

目標達成に向けて大きな役割を担うのが、森町工場(静岡県森町)にある、廃ゴムのリサイクル施設「サーキュラバーステーション」だ。施設では、硫黄化合物を結合させ弾性を高めた工業用ゴムのリサイクルを手掛けている。

硫黄化合物が結合したゴムをリサイクルするには、結合を解く工程が必要となる。釜に入れて熱するような従来の手法では、処理時間は5時間以上かかり、作業中の臭気の強さも課題となっていた。

豊田合成が実用化した技術では、廃ゴムを細かく砕き、強力な磁石などを使い、ゴムだけを分離する。その後、適切な温度、時間でゴムを熱することで、硫黄化合物との結合のみを的確に取り除く。処理時間は約10分と短く、臭いのもととなる硫化水素などを水に溶かすことで、臭気も抑えている。

森町工場で廃棄となるゴムの約40%が再生でき、リサイクルしたゴムは、新しいゴム素材に約5%混ぜて使用している。

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