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[中部圏特集] トヨタ「水素エンジン」開発に挑戦 レース参戦 データ収集 供給網構築、普及の鍵にも  

中部圏、飛躍へプロジェクト着実に
耐久レースに参戦し過酷な環境で開発を進めている(鈴鹿サーキット)
耐久レースに参戦し過酷な環境で開発を進めている(鈴鹿サーキット)

トヨタ自動車が、水素を燃焼させる「水素エンジン」の開発に挑戦している。水素エンジンを搭載した車両で自動車耐久レースに参戦し、モータースポーツの現場で円滑な開発につなげている。

■新たな動力源

水素エンジンは、走行時に二酸化炭素(CO2)を発生しないのが特長だ。ガソリンエンジンの技術を活用でき、ガソリンエンジンから燃料供給や噴射など一部を変更し、水素を燃焼させて動力を発生させる。水素の燃焼はガソリンより速く、走行時の応答性が高いという特性があるという。カーボンニュートラルの実現に向け、将来的に新たな動力源としたい考えだ。

開発に向け、モータースポーツに参戦し過酷な環境下でデータ収集を進めている。「カローラスポーツ」をベースにした競技車両に水素エンジンを搭載し、まずは5月に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された24時間耐久レースに参戦した。

9月中旬には鈴鹿サーキット(鈴鹿市)で開催された自動車レース「スーパー耐久」シリーズにも、水素エンジンを搭載するカローラで参戦した。水素エンジン車の参戦は、富士スピードウェイ、オートポリス(大分県)でのレースに続き3回目になった。

レース参戦を重ね、水素エンジン自体の技術に磨きをかけている。今回は、ガソリンエンジンと同等の出力を実現した。水素充塡(じゅうてん)は車両の両側からできるよう改良した。充塡時間は約2分と、富士スピードウェイの初戦から半分以上に短縮した。

ガズーレーシングカンパニーを担当する佐藤恒治執行役員は「モータースポーツの現場で、スピード感を持って性能を改良できている。次のレースでは、ガソリンエンジンを超えるような出力を目指す」と強調した。

また、開発現場には新たにコネクティッド技術を導入した。より高精度のデータを大量に高速収集できるようにして、開発を加速している。

■仲間づくり

今回は、将来安価に大量確保できることが期待されるオーストラリア製の水素を燃料の一部に活用した。水素供給では川崎重工業や岩谷産業、電源開発が協力した。水素はコストがかさむ課題を抱えており、連携して安定的な水素供給網の構築を目指す。

鈴鹿サーキットのレースで活用したのは、オーストラリアの「褐炭(かったん)」由来の水素だ。川崎重工などが試験的にオーストラリアから空輸で運んだ。

褐炭は低品位の石炭だ。火力発電に向かないことから安価にできる一方、埋蔵量が多い。褐炭をガス化し、そのガスから水素を取り出すことで安定的な水素確保が可能になるという。

川崎重工は、2021年度中に褐炭由来の水素をオーストラリアから日本まで液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」で運ぶ実証をスタートする。30年には商用化する計画。22万5千トンの水素を海外から運ぶという。実証に先立って、水素エンジン車のレース参戦に協力した。

日本全体では30年に約300万トン、50年に約2千万トンの水素導入を目指しており、川崎重工などは海外から大規模な水素調達を進めて貢献する構えだ。

川崎重工の橋本康彦社長は「トヨタさんの挑戦は、多くのエンジン屋に挑戦の気持ちを与えてくれた。その信念に共感した」と強調した。トヨタの水素エンジンへの挑戦が、水素サプライチェーン(供給網)構築を引っ張る格好にもなっている。

鈴鹿サーキットでのレースに先立って豊田章男社長が会見し、「水素エンジン車のレースを一戦一戦重ねることで仲間が増えている。意志ある情熱を持った行動が、仲間づくりにつながっている」と語った。

また今回、国内での水素運搬にも、環境にやさしい方法にトライした。トヨタなどが出資して商用車の協業を進めるコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT、本社東京都)の小型FC(燃料電池)トラックやトヨタ輸送(本社豊田市)のバイオ燃料トレーラーを用いた。

CJPTの中嶋裕樹社長は「名古屋から鈴鹿まで15キロの水素を運ぶのに、7キロの水素を燃料に使った。水素を運ぶ難しさを実感できた。安定的に安く運ぶ仕組みを確立できなければ、水素社会は訪れない」と力を込めた。

これまでの水素エンジン車のレースでも、大林組やグループのトヨタ自動車九州が水素製造で連携した。今後も一層の仲間づくりを進めることができるかが、水素活用普及の鍵になりそうだ。

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