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[未来を描く・15] 宮崎敏明(御園座社長)氏に聞く 事業の多角化狙う プライドに固執せず柔軟に 適性引き出す教育進め 創業の精神へ原点回帰

未来を描く
「利益の柱をもう一つ作りたい」と語る宮崎社長
「利益の柱をもう一つ作りたい」と語る宮崎社長

劇場運営を手掛ける御園座(本社名古屋市)。新型コロナウイルス禍で公演の中止や延期が相次ぎ、劇場運営は厳しい状況が続いている。今後について宮崎敏明社長は「劇場運営だけでなく、リスクヘッジを図る上でも事業を多角化していきたい」と語る。現状と2030年に向けた今後の取り組みを聞いた。(聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 

―30年に向けて描いている企業像は。

「当社は今年、創業125年を迎えた。これまでの伝統や信頼、知名度があるため、そうした強みを生かした新事業を始め、多角化経営を行っていきたい。劇場のみの運営では売り上げに波がある。30年には利益の柱をもう一つ作りたいと考えている」

 

―柱事業の素案は。

「例えば、年配の方への配食サービスなどはどうかと考えている。当社は年配の方から多く支持していただいているので、こうした特徴を生かしていきたい。新事業では知名度を得たいと考えている企業などとタイアップするのも双方に利益があって面白いのではないか。まず私が新事業の案を出して、社員が提案しやすい流れを作っていく。いろんな社員にチャンスとなればと考えている。新事業はスタートから5年くらいで軌道に乗せたい」

 

―コロナ禍でどんなことが変化したか。

「昨年4月から8月11日まで休演し、120公演を中止した。その期間に、感染防止対策のシミュレーションを重ね、感染経路を追えるように入場者の連絡先を控える、光触媒技術を用いた抗菌剤の噴霧、各席に設置してある足元の換気扇を常時稼働させるなどを徹底した。この期間で考えた対応策を講じたことが奏功し、これまで劇場内でクラスターは起きていない」

「さらに、コロナ禍によって、柔軟にスケジュールを組むことができ、人気が高い公演を厳選して行えている。従来だと、固定された枠があるなどスケジュール変更が難しかったが、コロナ禍により相手先に調整の相談や交渉を改めてする場を設けることができた」

 

―現在行っている集客の工夫は。

「趣向性の高い演目を多くそろえるよう工夫している。趣向性の高い作品は団体のお客さんよりも、個人のお客さんが多い。良い作品を呼べば、各自の責任、判断で足を運んでくれるだけに、キャンセルもなく観覧率は保持できる。柔軟にスケジュールを組んだことも含め、状況によって変化させていく力がついてきている」

 

―固定観念にとらわれず、なぜ柔軟に動けるようになったのか。

「私自身が御園座のブランドやプライドに固執せず、社内で意見を言ったことがカギとなったのではないか。『みんなの劇場』という創業の精神を基礎とし、SNS(会員制交流サイト)などのお客さんの意見に耳を傾けるようにしている。そうした意見を集約し、今後もはっきりと意見していきたい」

 

―人材育成は。

「私は上司、師匠らに教えてもらったことをもとに仕事における自分なりの方程式を確立している。この方程式を作るためには、基礎が必要となる。若い社員を中心に仕事の基本を教えつつ、仕事を任せ、社員自身が作ったスタイルに喜びを見出してもらいたい。そして社員の適性を引き出す教育をしたい。フォロー体制を敷き、今後5年以内で組織をしっかり作り上げたい。私が道をしっかり作って、次の時代に渡していければと思っている」

 

―これからの劇場展開について。

「名古屋にあった大きな劇場がなくなり、これまで他の劇場で行っていた作品などが御園座で上演できるようになった。これまでよりも多様な作品を呼べるため、稼働日数が増えれば、公演日程や外注している業務の内製化など細かくシミュレーションを重ねる必要がある」

「また、海外公演の配信などの話も頂いている。こうした案件などを生かし、再建の際に劇場を救ってもらった恩を忘れず、信義、恩義、忠義の精神で10年後も御園座をしっかり残せるように工夫を凝らして運営していく」

■ 2030年に向けたキーワード/みんなの劇場バトンリレー

「みんなの劇場」という創業の精神に原点回帰する上で、良い面を残し、悪い面を変え、次の時代につなぐという意味を込めた。若い社員に基礎を教え、社員の適性を引き出す人材育成に力を入れる。

<プロフィル>宮崎敏明(みやざき・としあき) 93年国士舘大学法学部卒、同年御園座入社。09年取締役営業統括部長、15年常務、17年から現職。知多市出身。

全文1789文字
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