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[未来を描く・14] 高橋治朗(名港海運会長)氏に聞く 海外事業拡大で成長 安心・安全の物流サービス 国内外で提供 米国に新拠点設置検討 タイの機能充実にも力

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「海外でも独自輸送手段で確実に貨物を届ける」と話す高橋会長
「海外でも独自輸送手段で確実に貨物を届ける」と話す高橋会長

名古屋港での港湾運送を中心に、世界で総合物流を手掛ける名港海運(本社名古屋市)。自動車産業をはじめ中部産業界の発展とともに、荷主企業の国際物流を支援することで成長してきた。現在の売り上げ構成は国内事業が約80%を占めるが、今後はアジアでの物流事業を強化し、2030年に海外の売上比率30%を目指す。高橋治朗会長に現況や将来展望を聞いた。(聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 

―新型コロナウイルス感染症が再拡大している。現況をどうみる。

「世界的に荷動きは停滞している。だが、当社での底は昨年5~6月で、今年4~6月は輸出貨物を中心に伸び、ほぼ一昨年の水準に戻っている状況だ。現状はデルタ株の感染再拡大が懸念材料だが、ワクチン接種が進んでおり秋以降はさらに伸びる期待もある」

「ただ、今の国際物流は航空便が増えて、海運は米国も中国でも港湾作業が滞っている。理由は世界的なコンテナ不足によるもの。海外では港湾労働者がコロナの休業補償をあてにして、仕事に来なくなった影響も大きいようだ」

 

―こうした状況下で荷動きが回復している。

「自動車関連、特に部品の輸出が伸びている。当社は3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)企業として、海外でも陸運を含めて、独自の物流拠点や輸送手段を確保し、いかに顧客の要望に沿って予定の貨物を少しでも早く届けるかに注力している。海運も本来コンテナ船で運ぶ貨物を、予約の取りやすいRORO船(トラック輸送船)で運ぶなど工夫している」

 

―企業成長のためには何が必要か。

「国内市場が縮小する一方で、海外はアジアを中心に成長が続いている。荷主である顧客企業がそこに出ていく以上は、海外事業を一段と強化しなければいけない。現在は、海外事業が売上高の2割を占めているが、10年後の2030年ごろには少なくとも3割までに伸ばしたい」

「顧客の意向に沿って安心・安全に貨物を運ぶという当社の本質は、これまでもそうだが10年後も変わらない。海外には顧客と一緒に進出し、国内と同様、安心・安全な物流サービスを提供することが基本姿勢だ」

 

―海外拠点の現状は。今後、注力する先は。

「昨年、米国進出50周年を迎えた。現在はロサンゼルスのメイコーアメリカが、ニューヨークや内陸のシカゴなど米国各地に拠点を設け、北米全体の物流業務を担っている。ただ、米国内のサプライチェーンは様変わりした。各拠点の機能を見直したり、スリム化を図る一方で、新拠点の設置も検討したい。ヨーロッパはベルギーが主力で、ドイツやポーランドにも拠点がある」

「今後はアジア地域、特にタイでの拠点機能充実に注力したい。タイにはフォワーディングや陸運を担うメイコートランスタイランド、倉庫業のメイコーアジアの2社がある。メイコーアジアの取扱高は順調に伸びており、年末に第二倉庫を完工する。ベトナムにも19年に現地法人を設立し、拠点拡充を進めている。さらに、インドもチェンナイとグルグラムに拠点があり、今後の期待感が大きい」

 

―海外進出の基準は。

「顧客が進出先で使える物流基盤がない場合に、当社が拠点を作ってフォローするという姿勢だ。現地情勢に詳しい日本人社員が、顧客が安心して利用できるサービスを提供する」

「そのためには海外事情に通じた人材が不可欠となる。今はコロナで渡航できないが、通常は一定のキャリアを積んだ若手社員から、毎年2~3人を海外に派遣して、事業展開の可能性を探っている」

 

―国内では人口減少に伴い、省力化や新たな人材確保が求められる。

「19年9月に全面稼働した飛島村の西二区南物流センター(南)では、一部荷主の特定貨物向けに、ITシステムによる自動仕分け装置や自動搬送装置を導入したが、物流効率化の成果が出ている。これを、ほかの荷主の貨物にも対応できるよう研究開発を進める。また、自社倉庫管理システムとも連携させて、倉庫事務の作業軽減も進めていくつもりだ。ただし、単に自動化するだけなく、倉庫のラック化やハンドリフト導入などを含め、トータルコストで省力化につなげていきたい」

「人材確保については、国籍や性別、新卒、既卒を問わずに採用の枠を広げている。今年から大卒対象に、地域限定総合職の採用も開始し、初年度5人を採用した。また、大卒者はこれまで文系中心に採用していたが、今後は理系学生の確保にも力を入れるつもりだ」

■2030年に向けたキーワード/誠は天の道
儒教「中庸」の言葉。わが家では家訓として額装している。相手の立場で一番正しいことを誠心誠意で貫き、一心不乱に手助けするという意味だ。人間の本質は10年後も数百年後も変わらない。その時代に即した正しいことを誠意を持って取り組めば、顧客にも社員にも安心な経営ができるはず。

<プロフィル>高橋治朗(たかはし・じろう)56年一橋大学商学部卒、同年大阪商船(現商船三井)入社。61年名港海運入社。74年取締役業務部長、77年常務、80年専務、89年副社長、95年社長、01年から現職。名古屋市出身。

全文2066文字

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2021年10月22日(金)~10月23日(土)
あいちの農林水産フェア

Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
展示ホールA(SDGs AICHI EXPO会場内)
主催:あいちの農林水産フェア実行委員会

県内外の皆さんに全国有数の産出額・生産量を誇る愛知の農林水産業をご紹介。JA愛知グループとチカマチラウンジがコラボして、県産農林水産物等をふんだんに使用した「地産地消弁当」を開発しました。

冬山フェスタ

2021年12月18日(土)~19日(日)
第2回 冬山フェスタ

初心者歓迎!冬山登山入門イベント!

ウインクあいち(愛知県産業労働センター)
主催:冬山フェスタ実行委員会(構成=全国「山の日」協議会、中部経済新聞社)

夏山フェスタでの多くのご要望にお応えして冬山初心者のための入門イベント「冬山フェスタ」を開催します!

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第1回 名古屋モーターサイクルショー

Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
愛知県常滑市セントレア5丁目
主催:名古屋モーターサイクルショー実行委員会

新たな生活様式でバイクに注目が集まる今、中部地区で初のモーターサイクルショーを開催!最新モデル大試乗会、著名人のトークショー、各種デモンストレーション企画等も併催予定

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第51回 建築総合展NAGOYA

ウインクあいち 7F・8F展示場
主催:公益社団法人愛知建築士会・中部経済新聞社

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