中津川に砂処理新プラント セントラル建設 リニア建設に対応 能力倍増安定供給へ
景勝地「恵那峡」は、木曽川中流部の恵那市と中津川市の市境に1924年に建設された水力発電用ダム・大井ダムの人造湖により誕生した。しかし、長年にわたる木曽川の川砂の堆積は著しく、75年ごろには人造湖が砂で埋まり、ダム機能や遊覧船運航に支障をきたす状況になっていた。
そこで、セントラル建設は78年に採取権を取得し、砂採取・販売の恵那峡サンドを設立。木曽川と恵那峡の砂の浚渫(しゅんせつ)を続けている。
セントラル建設は2019年、業務効率化に向けて恵那峡サンドを合併。以来、セントラル建設の主要事業部「恵那峡サンド事業部」として事業展開している。現在、東濃地域ではリニア関連工事が進められており、今後はコンクリートの骨材である砂の需要が拡大すると見込んで同事業部に新プラントを導入した。
同社は、2年前に恵那峡サンドの浚渫船(カッター式サンドポンプ船)を更新。その後、砂を洗浄して粒子のサイズ別に分ける「分級機」1基を更新した。今回の設備投資はそれに続く大型投資で、新たに細かいサイズに対応した分級機2基を導入した。
また、砂を運搬するメイン設備のベルトコンベヤーを最新型に更新。従来のコンベヤーは延長約35メートルで作業効率が悪かったため、延長約60メートルのコンベヤーを新設した。新プラントにより、従来は毎時50立方メートルの砂処理能力が、倍増の毎時100立方メートルに拡大した。
阿部社長は「東濃地域ではリニア中央新幹線の建設プロジェクトが本格化しており、トンネルや非常口などの建設工事が進められている。砂はコンクリートに欠かせない骨材で需要拡大が見込まれる。今後は、新プラント導入で処理能力を増強した恵那峡サンドが良質な砂の安定供給に取り組んでいく」と話している。