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[未来を描く・12] 石田建昭(東海東京FH会長)氏に聞く 独自性ある総合金融グループへ デジタル戦略進め利便性追求 地銀連携でシナジー発揮 スタートアップ支援も

未来を描く
「コロナでビジネス手法などを大きく変えた」と話す石田会長
「コロナでビジネス手法などを大きく変えた」と話す石田会長

対面営業証券ビジネスは、市況変動の影響や手数料無料化の動きなどもあり、厳しさを増している。デジタル化の進展や顧客ニーズの多様化、証券ビジネスへの異業種からの参入など、事業環境も大きく変化している。昨年10月にグループ誕生20周年を迎えた、東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FH)はどんな将来像を描くのか。石田建昭会長(75)に聞いた。

 

 ―コロナ禍で証券業界の市場動向や働き方は、どう変化したか。

「在宅時間が増えたことで、業界全体ではネットを活用したオンライン証券での取引が拡大している。こうした動きを踏まえ、当社グループはビジネスの手法や働き方などを大きく変えた。営業店舗の業務は継続しているが、コロナ感染症の拡大防止を優先した業務運営を心掛けている。現在の出社率は50~60%。こうした水準を維持できるよう、ウェブのインフラ投資も行った。密な業務環境を避けるために時差出勤の推進やテレワーク勤務など実施していく」

「変化する環境で勝ち抜くために、デジタル戦略のほか富裕層ビジネスの発展・拡大、地方金融機関との多様な事業連携、今秋に予定するスマホ専業証券の開業などを通じ、独自性のある総合金融グループへ成長を遂げたい」

 

―デジタル化の取り組みでは、経済産業省と東京証券取引所が主催する「DX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄2021」に選定された。

「デジタル化に関しては、お客さまの利便性をどう高めていくのか。それを実現するためにどんなインフラをそろえて生産性を高めていくか。この二つの視点が重要になる。当社グループでは(金融とITが融合する)フィンテック機能を連携・発展させた『東海東京デジタルワールド』というコンセプトで、独創的なビジネスモデルの実現を目指している。資産管理アプリ『おかねのコンパス』や設立予定のスマホ専業証券をベースに、プラスアルファのサービスを届けたい。地方創生の観点では、地域金融機関を核とした地域経済の活性化を目的に、地域通貨(デジタル通貨)の発行・企業間取引での利用などを『地方創生プラットフォーム』として提供したい」

 

―十六TT証券など、地方銀行7行と提携合弁証券のビジネスを展開している。

「全国の有力な地銀と組み、銀行の顧客基盤と当社グループの証券ビジネスのノウハウを融合し、銀行と証券の連携によるシナジー(相乗効果)をつくり出している。地銀との提携によるネットワークの拡充は、大手証券との差別化となるほか、グループの持続的発展を支える大きな力になる。提携先を含む全国の地銀に対し、さまざまなメニューを用意した『地銀サポートプログラム』を推進する。資金運用ニーズに対する有価証券運用パッケージの提案など、個別行ごとに事業協働戦略を提案していく」

 

―地域経済の活性化に向け、新たなビジネス機会を創出するための施策は。

「富裕層向けのブランド『オルクドール』の会員やスタートアップの事業者らとの交流を深めたい。『オルクドール・サロンTOKYO』(東京都)をベースに、若手経営者らの複数のコミュニティーが活動している。今後は名古屋のものづくりのスタートアップの交流などもできたらと思う。さまざまなコミュニティーにおけるマッチングを通じ、新たなビジネス機会を創出したい。また、富裕層のお客さまが求める商品やニーズに対し、当社グループが提携する外部企業のサービスなどを提供するエコシステムを構築していく」

 

―関西地盤のエース証券(大阪市)と、同社子会社の丸八証券(名古屋市)を連結子会社化した。丸八証券には鈴木卓也社長ら役員を派遣した。

「東海東京証券と丸八証券が地域にとってどんな企業であるべきかを考えていく。また、丸八証券のお客さまはどう考えているのかなどについてもしっかり把握していきたい」

 

―持続的な成長には人材育成が鍵になる。

「仕事だけで生きる人生は楽しくない。当社では社員の経験の多様化などをサポートする『ヒューマニティー・エンハンスメント・プログラム』がある。人間性を向上させるプログラムで、スタートアップ企業に短期間限定で社員を派遣し、仕事に役立つ専門知識の習得をサポートしたりする武者修行支援型などがある。こうした経験を積んでもらい、常に先端的なことを行う会社のカルチャー、気概を染み込ませる。時にはリスクをとって若手の提案をやらせてみたい。社員には、常に先端的なものに敏感であってほしいし、それぞれが自信を持って誇らしげに働く会社であり続けたい」

「今後は、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)など、社会的な正義を相当意識した会社でないと生き残れない。コロナ影響もあり、何となく日本全体が停滞している。経営陣も社員も強い志を持って、地域経済の活性化や環境保全の取り組みなど進めていきたい」

■2030年に向けたキーワード/専門性と人間性
経営計画の各施策を着実に実行するためには、人材の育成と働きやすい職場環境の構築が欠かせない。社員の専門性を追求し、評価できる処遇体系の見直しなどを進め、営業スタイルの変更や顧客セグメント別の独自の営業手法導入による生産性の向上を図る。専門性と人間性を兼ね備えた「人財」の育成に力を注ぐ方針だ。

<プロフィル>石田建昭(いしだ・たてあき) 小樽商科大商学部卒、68年東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行。92年欧州東海銀行頭取、96年東海銀行常務取締役、02年UFJインターナショナル会長など歴任。04年から東海東京証券に。05年社長。06年東海東京フィナンシャル・ホールディングス社長兼最高経営責任者(CEO)。21年6月から現職。北海道出身

全文2326文字

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