セイワHD 町工場の事業承継推進 グループ会社化加速 倍増の16社へ
6月、製缶加工などを手掛ける平野製作所(本社岐阜県)と、ゴム成型機メーカーの三重工業(本社千葉県)の2社の全株式を取得し、グループ会社化した。
セイワホールディングは2018年から事業承継を積極的に行っており、2社の参画でグループ会社は8社となった。社員数も事業承継を開始する18年以前の10人から167人に拡大した。
事業承継を進めるのは、中小の製造業が単体で経営を安定させるのが難しい状況にあるためだ。優れた技術を持ちながら後継者不足などで苦しむ企業は多く、こうした企業をグループ会社化して実務面や財務面、採用面などを支援する。
複数の企業をグループ会社化することは、同社にとっても大きな強みとなる。それぞれの工場の得意分野を生かした商品案内ができるほか、コスト調整や品質のコントロールなどを自社で行えるため、柔軟な対応が可能となる。さらに災害時などの事業継続を補完し合い、リスク回避を図れることも利点となる。
今後、2~3年後には海外進出を狙うメーカーをターゲットに事業承継を狙う。また、国内市場の縮小が見込まれることから、26年以降は海外企業のグループ化も検討する。
野見山社長は「今後も後継者不足などの課題を抱える中小企業を支援していきたい」と話している。
1995年に溶接加工を手掛けるセイワ工業を設立。2021年1月に持ち株会社としてセイワホールディングスを設立した。年商は約21億円(2020年12月期)。