全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

中部経済新聞 購読者向け中経企業年鑑データサービス申し込み・ご利用はこちら

新聞記念プレート作成

新聞購読のお申し込みはこちら

[未来を描く・9] 高崎裕樹(名古屋鉄道社長)氏に聞く コロナ禍 変革のチャンスに 中部の地域づくり担うリード役に 不動産事業成長を軸に沿線拠点駅開発へ注力

未来を描く
「コロナからの再生と次の成長につながる基盤を構築したい」と語る高崎社長
「コロナからの再生と次の成長につながる基盤を構築したい」と語る高崎社長

名古屋鉄道(本社名古屋市)は、交通や運送、不動産、レジャー・サービスなど幅広い事業を展開する。新型コロナウイルスの流行による移動需要の減少などで、2021年3月期の連結決算は287億円の純損失と、16年ぶりの赤字となった。コロナからの再生と収束後の成長に向けた基盤構築にどう挑むか。高崎裕樹社長に聞いた。(聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 ―6月25日付で社長に就任した。コロナ禍の影響と収束の見通しについて。

「名鉄グループの多くで業績が悪化し、長期化している。鉄道やバス、タクシーといった交通事業は人が動くことで商売が成り立つ。ただ、コロナ禍で移動需要が減少し、大きく影響を受けた。人が集まることも制限され、ホテルの宴会需要も一気に落ち込んだ。21年3月期の連結売上高は4816億円と前期比23%減少した。大変な時期の社長就任で重責を感じる。一方、変革のチャンスとも捉えている」

「足元の業況は、昨年に比べて改善している。ワクチン接種が進んでおり、秋口にはかなり回復すると思う。21年度の交通事業の売上高は、コロナ前の8割程度まで戻ると想定し、今期の連結純損益は110億円の黒字を計画している」

 

 ―今年4月から向こう3カ年の中期経営計画をスタートした。  

「交通や旅行、ホテルなど、コロナの影響を受けた事業の構造改革に取り組み、再生する。そして、次の成長に向けた基盤を整備していく。23年度には連結営業利益350億円を目指す」

「主力の交通事業では、駅業務の効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)による保守作業の効率化などに取り組む。一方、攻めの施策も展開する。例えば、DXを活用し、お客さまの利便性を高めるサービスを拡充する。名鉄タッチ(スマートフォンアプリ)の利便性を高め、来年春には新名鉄タッチ(仮称)として、運用を開始する。地域の交通、生活、観光サービスをつなぎ、ストレスなく利用できるようにしたい。このエリアにおけるMaaS(マース、次世代移動サービス)を構築していく」

 

―ホテル事業では、6月に名鉄ホテルホールディングスを設立した。

「グループホテルの業務標準化や人的な交流を進めるほか、中期的な経営戦略を立案する。新しいカテゴリーも展開していく。従来は低価格帯のホテルが多かったが、付加価値を高めたホテルを増やす。犬山市では今年の7月15日に地域体感型と銘打った、ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス、来年3月には、ハイクラスのホテルインディゴ犬山有楽苑を開業する予定。新カテゴリーとして目指す方向性のモデルになる」

 

―中期計画では、不動産事業を強化する。

「不動産事業は、成長戦略の基軸となる。交通事業という基盤があり、他の不動産事業者に比べて(相乗効果を発揮しやすく)強みがある。グループ全体で企画開発から運営管理までスムーズに業務を遂行できる体制を整える。用途も商業やオフィス、住宅、ホテル、物流施設、データセンターなど幅広く手掛けていく」

「都心部や沿線拠点駅とその周辺の開発も強化する。自社単独に加え、さまざまな事業者とも連携したい。不動産は、単発(一定の場所)で開発するが、当社はエリア全体を考え、長期の価値向上という視点を大事にする。そうでなければ町の魅力は高まらない」

 

―名駅地区の再開発に関心が集まる。駅機能はリニアが開業する2027年の完成を目指していた。  

「当初は22年度に着工する予定だった。コロナ禍で業績が悪化したため、着工を延期して、計画を見直す。駅機能の完成は30年ごろを目指したい。(建物を含めた)全体の完成は難しいが、できるものもあるかもしれない。一気につくるか、分けてつくるかによる。再開発事業は、いったん立ち止まるが、空港アクセスの利便性向上や地域交通拠点の形成といった社会的な要請にしっかりと応えていく」

 

―再開発事業の完成イメージについて。

「駅機能は、乗り換え空間の整備など、行政のまちづくり構想と整合性を図るようにする。上物(建物)は、規模や用途、つくり方、組み合わせ方をどうするか検討していく。コロナ収束後には、ライフスタイルや価値観が変化するだろう。しっかりと予測し、24年度をめどに方向性を判断したい」

 

―2030年のあるべき企業像を。

「中部圏の地域づくりを担うリーディングカンパニーを目指す。交通事業を基盤に、不動産の力をつける。不動産開発では、飲食や物販、サービスなど、グループ一体で取り組む」

「観光面のPRも強化したい。(名鉄グループがロープウエーを運行する)新穂高などは、日本を代表する山岳リゾート地だと思う。ほかにも、名鉄沿線を含め中部圏には個性があり、魅力的な場所がたくさんある。観光資源の発掘、商品企画、販促などで沿線自治体と連携を強化したい。名鉄が関わることで、この地域が魅力的と思っていただけるようにしていきたい」

計画している名古屋駅地区の再開発エリア

計画している名古屋駅地区の再開発エリア

■2030年に向けたキーワード/地域を動かす
このエリアの人を動かし、来る人も動かす。モノもコトも、そして人の心も動かしたい。当社は社会的価値の高い会社だと思う。当社グループには、まじめで誠実な人が多く、優秀な人材がそろっている。一方、控え目に映ることもある。より明るく、前向きになれば、もっといい会社になると思う。

<プロフィル>高崎裕樹(たかさき・ひろき) 早稲田大学商学部卒、83年名古屋鉄道入社。12年取締役不動産事業本部副本部長兼賃貸事業部長。常務、専務、副社長を経て、21年6月25日から現職。本巣市出身。60歳。

全文2279文字

記事をもっと読むには・・・

中部経済新聞 記事閲覧サービスのご案内
未来を描く
チカマチラウンジ

2021年7月5日の主要記事

ご意見・ニュース提供
新聞広告出稿
アラジンオフィス
防犯カメラ買うなら塚本無線

全国経済ニュース速報

会社概要メニュー

取材ノート
「豆柴の大群のチカマチラウンジ襲来CP」開催!2021年12月15日(水)~2022年1月31日(月)

出版物のご紹介 一覧へ

中経企業年鑑登録

イベント情報一覧へ

2022年6月11日(土)~12日(日)
名古屋で唯一の山岳関連イベント 第8回 夏山フェスタ

ウインクあいち(愛知県産業労働センター)7F・8F
主催:夏山フェスタ実行委員会

2日間にわたり、登山用品メーカーや自治体が出展!過去の開催では、トークショーや最新登山用品セミナー等の開催実績があり。

2022年4月8日(金)~10日(日)
第1回 名古屋モーターサイクルショー

Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
愛知県常滑市セントレア5丁目
主催:名古屋モーターサイクルショー実行委員会

新たな生活様式でバイクに注目が集まる今、中部地区で初のモーターサイクルショーを開催!最新モデル大試乗会、著名人のトークショー、各種デモンストレーション企画等も併催予定

あいち住まいるフェア2021

2022年3月19日(土)~3月20日(日)
あいち住まいるフェア2021

オアシス21 銀河の広場
主催:愛知ゆとりある住まい推進協議会、中部経済新聞社

新築からリノベーションまで多様化する住まいづくりを分かりやすく来場者に提供する2日間!

2022年5月26日(木)~27日(金)
第51回 建築総合展NAGOYA

ウインクあいち 7F・8F展示場
主催:公益社団法人愛知建築士会・中部経済新聞社

建築関連産業の課題解決と技術発展の一助とするため、製品・技術・サービスを一堂に集め、ビジネスと情報交流の促進を目的に1971年の秋より開催されている中部地区唯一の建築関連専門展示会です。