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名鉄、名駅再開発30年完成へ 高崎社長 駅機能整備を優先 東区に最高級マンションも

名鉄が再開発を計画しているエリア
名鉄が再開発を計画しているエリア
 25日に就任した名古屋鉄道の高崎裕樹社長が中部経済新聞社の取材に応じ、社運をかける名古屋駅地区の再開発計画について、駅機能の整備は2030年ごろに完了させたい考えを示した。従来はリニア中央新幹線が開業する27年を目指していたが、コロナ禍で見直しを表明していた。建物を含めた再開発全体の完成までは難しい見通しで、部分開業も含めて検討する。今後、成長分野として不動産事業を強化する方針を掲げ、来年には名古屋市内で名鉄グループとして最高級クラスのマンション開発に乗り出す。将来は栄地区の再開発も視野に入れる。

 名鉄は17年、リニア開業を見据え、他社と共同で名駅地区のビルを一体開発する再開発計画を発表した。開発区域は2万8千平方メートル。6棟あるビルを取り壊し、地上30階建て相当の巨大ビルを建設。商業やオフィス、ホテルなどで構成し、22年度に着工する予定だった。
 しかし、コロナ禍で経営環境が激変。移動需要が減少し、主力の交通事業を中心に収益が急速に悪化した。昨年11月には名駅再開発計画の修正と着工延期を表明した。24年度をめどに方向性を判断する。
 高崎社長は「再開発はいったん立ち止まるが、空港アクセスの利便性向上や地域交通拠点の形成といった社会的な要請にしっかりと応えたい」と強調した。
 駅機能の整備では、分かりやすく利便性の高い駅を計画する。線路数は上下1本ずつの2線から4線化を表明していたが、コロナ禍を踏まえ、再検討している。見通しについて「空港へのアクセス向上や分かりやすい駅の整備など、4線化でやれることがある」と述べ、4線化に前向きな姿勢をみせた。
 駅機能の完成は30年ごろを目指すが、「(建物を含めた)全体の完成は難しい。ただ、上物(建物)はできるものもあると思う。一気につくるか、分けてつくるかによる」と語った。
 再開発ビルについては、「コロナ収束後はライフスタイルや価値観が変化する。規模や用途、作り方などを変える可能性がある。建物は一体か、分けてつくるのがいいか。コロナ後を予測して検討したい。例えば、商業は、新しい時代に適応する必要があり、体験型などさまざまな要素を組み合わせたい」とした。名鉄グランドホテルと名鉄百貨店は少なくとも24年ごろまで営業を続ける方針も示した。
 名鉄は今年4月から向こう3カ年の中期経営計画をスタートした。23年度に連結営業利益350億円(20年度は163億円の赤字)を目指しており、不動産事業を強化する方針だ。
 今後、グループ全体で不動産の企画開発から運営管理までの連携を強化するほか、商業やオフィス、ホテル、物流、データセンターなど、多様な用途の不動産開発を手掛ける方針。
 都心部や沿線拠点駅とその周辺の開発にも注力し、利便性向上やにぎわい創出に貢献する考えも示した。開発では、さまざまな事業者との連携も増やす方針。高崎社長は「エリア全体や長期の価値向上を目指す、まちづくり志向の開発を進めたい」と意欲をみせた。
 高級住宅の開発にも乗り出す。名鉄不動産を通じ、名古屋市東区橦木町で分譲マンションを建設する。地上8階・地下1階建て。来年4月着工、25年3月の完成を目指す。販売価格が1億円を超えるなど、名鉄グループが単独で手掛ける物件として最高級クラスになる見通し。
 将来は栄地区の再開発も検討する。名鉄は栄の一等地にある商業ビル「スカイル」の運営会社を傘下に持つ。建て替えについて、高崎社長は「まだ分からないが、建物は年月がたっている」と含みをもたせた。その上で「自社単独より、周囲の方々と連携した開発が必要になるだろう。ただ、名駅の再開発よりも時間はかかると思う」と展望を語った。

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