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[未来を描く・7] 浅田剛夫(井村屋グループ会長)氏に聞く アズキの良さ、世界へ発信 「New」「Next」基軸に グローバル展開を強化 SDGsなど知恵結集

未来を描く
「『あずきをAZUKIに』を目指し、グローバル展開を強化する」と語る浅田会長
「『あずきをAZUKIに』を目指し、グローバル展開を強化する」と語る浅田会長

アイスクリームや肉まん・あんまん、菓子、調味料など幅広いカテゴリーで商品を展開する井村屋グループ(本社津市)。主要原料であるアズキが健康食材として注目され、21年3月期は冷菓の代表商品である「あずきバー」が2億9200万本を販売し、売り上げ本数が過去最高を更新した。「あずきをAZUKIに」を掲げ、グローバル展開にも意欲を見せる浅田剛夫会長に、ニューノーマル(新常態)下での企業経営のあり方について聞いた。(聞き手、編集局長・大橋昌寛)

 

 

―21年3月期は増益を確保した。コロナ禍での変化をどう捉えているか。

「動くことが制限され、家庭内での食事が求められた。食の動きも変化し、当社でも商品の売れ筋が変わり、冷凍和菓子、餡(あん)関係が好調だった。『あずきバー』は、念願の日本の人口1人当たり年間3本、販売本数3億本超えに迫りつつある。健康志向、簡便さもあるが、以前からの積み重ねであるブランドに対する信頼と安心感も大きかった。コロナ禍で買い物時間が短くなる中、よく知っている商品が選択された」

「健康への関心も高まった。アズキがポリフェノール、食物繊維、ビタミンB1を豊富に含む健康食材として認知されてきたこともプラスに働いている。特許製法で栄養素が豊富なアズキの煮汁を閉じ込めたアズキ製品『無糖のあずき』の評価も高まり、この製法を使用したどら焼き、ようかんも売り上げを伸ばした」

 

―新常態を迎える中、企業経営をどう進めていくべきか。

「より変化を求める動きが出てくる。ブランドだけに頼るのでなく、今までの常態、常識を超えていく、『New』と『Next』が求められる。当社はコロナ以前から、この二つのNを意識してきた。どのような時代背景においても、『次は何だ』ということに関心を持ち続けることが重要だ。さらに、グローバル展開の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の実行、多様性を重視した人材の活用・教育が軸になってくる」

「そして『K字経営』も目指している。Kの字の上向きはトップラインで、開発とマーケティングにあたる。下向きのラインはコストイノベーションで、間隔が広がれば利益は拡大する。上下の線を意識して『K営(けいえい)』を図っていく。多くの変化に対して自在に動き、最も良い変化対応を行う『バランス経営』も必要だ」

 

―グローバル展開では、マレーシアでアイス事業を開始する。

「17年に伊勢市で開かれた菓子大博覧会で、『あずきをAZUKIに』をテーマに掲げた。アズキの健康性や和菓子の良さを世界に提案していく。マレーシアは、コロナの影響で1年遅れたが、現地メーカーに委託製造して今年9月の発売を予定している。中国で約20年、米国で約10年展開してきたが、世界で和の商品を求める動きがあるので、アセアンを加え、今後10年でさらに強固なものにしたい」

 

―21年3月期から社内に複数のプロジェクトを立ち上げた。

「人的資源には限りがある。コロナ以後、みんなで力を合わせて考えていこうと、まずは10プロジェクトを立ち上げた。現在は、DX、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境、社会、ガバナンス)、人財教育の4プロジェクトが動いている。みんなが知恵を出しあい、ひとつの目標を追いかけるプロセスを通じ、一人一人の成長につながる」

 

―温室効果ガス削減や食品ロス削減に積極的に取り組んでいる。ESG・SDGs経営への思いは。

「『エコロジカルはエコノミカル』の考えに基づき、最近ではバイオマスボイラーへの変換、コージェネレーション設備と太陽光による発電の実行に取り組んだ。さらに、その設備を活用して、災害時に地域の人へ生活用水やスマートフォン電源を提供できるようにした。小さなことだが、一つの進化。継続していくことが大事だと思う」

「食品ロス削減活動は、食品メーカーとしてとても重要。今後、個々の努力とともに、グローバル視点でのSCM(サプライチェーンマネジメント)強化に取り組んでいくべきだと考える」

 

 

■ 2030年に向けたキーワード/飛翔
創業当時からのテーマの一つに、人のまねをしない「特色経営」がある。井村屋グループの良さをてこに世界へ飛び出していく。社会は大きな変革期を迎えている。常に独創性を発揮し続け、飛び立つ勇気と変化対応力が鍵となる。変化に対応していくためには、準備力、バックキャスティング志向が求められる。

<プロフィル>浅田剛夫(あさだ・たけお)1965年中央大学経済学部卒。醸造会社を経て70年井村屋製菓(現・井村屋グループ)入社。93年取締役、99年常務、2001年専務、03年社長。10年、持ち株会社制移行に伴い、井村屋グループ社長、13年会長。津市出身。78歳。

全文1950文字

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主催:公益社団法人愛知建築士会・中部経済新聞社

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