アイチ金属、都内に新工場 来年5月稼働 特殊塗装で富裕層開拓
新工場では特殊な金属コーティング剤「ヴェロメタル」の塗装作業などを行う。鉄骨平屋建てで、延べ床面積は264平方メートル。名古屋にある既存の工場と同じ塗装設備を導入する。投資額は1億円程度。町工場が多く、協業できる仲間を増やせると考え、大田区を選んだ。
新工場の特徴は、作る工程が見えることだ。現在は設計段階だが、ガラス張りで、顧客が気軽に入れるような設計を検討している。一般向けに塗装のワークショップ、プロ向けに技術研修などを行い、多くの人が来場しやすい工場を目指す。
ヴェロメタルは家具やタイルなどの製品を金属製に見せることができる加工方法。最近の住宅はホテルのような大理石やタイル張りの床が人気ということもあり、こうした住環境に金属製の家具や商品が合うため、需要が高まっている。
東京都は家具にこだわりの強い顧客が多く、需要拡大が見込める。同社が手掛ける住宅リフォームの受注割合は、愛知県内が6割、東京都内が4割。高級家具の販売は、東京都内の売り上げが愛知県内の10倍に上る。
さらに現在は東京都で注文を受けても、愛知県内の工場で加工するため、納品まで時間がかかっている。東京都内に新工場を開設することで、より迅速な顧客対応を目指す。
山田社長は「扱う商品は高価な特注品。新工場稼働により、協業パートナーの拡大や知名度向上につなげたい。金属加工で選ばれる会社を目指す」と話した。
同社は1993年設立。設計から施工までを一貫して提案することで、著名建築家や大手住宅メーカーとも協業してきた。