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[未来を描く・1] 東京一極集中の是正 議論を 水野明久(中部経済連合会会長)氏に聞く

未来を描く
「ポストコロナへデジタル技術を最大限活用する」と話す水野会長
「ポストコロナへデジタル技術を最大限活用する」と話す水野会長

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長引く中、従来の延長線に沿った形の組織運営や事業戦略では立ち行かなくなっている。この大変革期に中部経済をけん引するリーダーはどんな思いを描き行動するのか。中部経済連合会の水野明久会長(67、中部電力相談役)に中部経済の未来の姿について聞いた。(聞き手、常務・後藤治彦)

―コロナ禍を踏まえ、中経連として変化にどう対応していくか。

「さまざまな制約がある中で、産業界としてはウィズコロナの働き方を継続して実践しながら、全力で経済の回復に取り組む必要がある。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速など、ポストコロナを見据えた対策を同時に推進していくことも求められる。デジタル技術を最大限活用し、ものづくり産業などをさらにレベルアップする形にしなければならない」

「コロナ影響を踏まえ、危機対応能力も問われるようになった。自然災害など危機的事象が起きた際の組織の対応策を整え、脆弱(ぜいじゃく)性をいかに克服できるか。過密のリスクも際立ってきた。東京一極集中の是正に向け議論を進める時だ」

―東京一極集中の是正に関しては、今年1月に名古屋商工会議所と共同の提言書を発表した。

「首都機能の分散について、政府機能と、企業や人の流れの二つに分けて整理した。過去にも首都機能移転の試みがあったが、1カ所に絞り込むことができなかった。住民サービスの低下が懸念されるような変革は理解を得にくく、中央省庁機能を丸ごと移転する場合、巨額の財政負担が伴う。このため、中央省庁の機能を、全国各地域にある省庁の地方支分部局を受け皿に移管し、地域の機能を強化することが現実的だ。地域の独自性、事情をしっかりと把握している各地域に施策を執行できる権限を持たせたほうが実効性は高まる」

「もっとも、中部は中部なりに、企業や人の流れを呼び込めるよう、魅力の磨き上げをしなくてはいけない。単に一極集中の是正とだけいっても、人を引きつける力がないと、活気につながらない」

―激甚災害などで首都圏の機能が停止した際に備える必要がある。

「首都機能のバックアップを可能とする代替的な機能を複数カ所に持っていくべきだろう。リスク耐性を高めるインフラの整備も重要になる。中部圏では、リニア中央新幹線の開業や東海環状自動車道の西回りルートの整備などが2030年までに完了する見通しで、インフラのメリットを十分に活用していくべきだ。西回りは西濃の経済圏や四日市港周辺の経済圏があり、経済成長のポテンシャルは高い」

―中部国際空港の2本目滑走路の早期整備も期待される。

「中経連は、かねてより中部空港の2本目滑走路の必要性を訴えてきている。今年1月に中部空港沖を名古屋港浚渫(しゅんせつ)土の処理地として埋め立てることに関して、国と愛知、三重両県の漁業者との補償交渉が合意したことで一歩前進した。中部空港の滑走路は、経年劣化に対する大規模改修が必要なほか、代替機能が果たせるように今から強化する必要がある。リニア中央新幹線圏内に存在する、首都圏第3空港としての機能整備という観点に立ち、国の基本計画に位置付けてもらうことが重要だ」

―スタートアップの育成も中部経済活性化の鍵になる。

「昨年7月に国から愛知・名古屋と浜松地域がスタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市に認定された。他の拠点都市に追いつかれないよう、育成の取り組みを加速させるべきだ。支援拠点の『ナゴヤイノベーターズガレージ』(名古屋市)の利用も進み、延べ来場者数は3万4千人を超え、各種のイベントも約550回開催した。認知度は徐々に高まってきたので、今年はスタートアップの先輩や後輩、仲間同士で気軽に相談し合えるコミュニティーづくりに力を入れたい」

スタートアップ支援拠点の「ナゴヤイノベーターズガレージ」(名古屋市)の利用は増えている

スタートアップ支援拠点の「ナゴヤイノベーターズガレージ」(名古屋市)の利用は増えている

―中部圏の広域課題に対する戦略は。

「防災や観光をはじめ、中部5県の共通課題に対し、引き続き中経連が産学官の『つなぎ役』となって取り組みたい。産学官で協議する場を仮に中部圏戦略会議と名付け、発足させることを目指している。例えば、観光や防災などの分野で共同作業を進め、具体的に成果を出さないと(広域の会議体の)実現は難しい。広域課題に対し、連携して力強く突き進み、難局を突破してきたい」

■2030年に向けたキーワード 「つなぐ」

中経連は、中部5県(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)を活動エリアとする広域的な総合経済団体として活動している。それぞれの地域の経済団体と大学など学術機関、自治体、国の出先機関などをつなぎ、連携を推進する役割を担う。広域課題に対して産学官の力を結集し、突破することで、中部経済の活性化につなげる狙いだ。

<プロフィル>水野明久(みずの・あきひさ) 東大院修了。78年中部電力入社。08年取締役専務執行役員、09年副社長、10年社長、15年会長、20年4月取締役相談役、同6月から相談役。中経連は11年副会長、20年6月から現職。愛知県出身

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