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[中部圏特集・金融・証券] SDGsの活動推進 産業の下支えに貢献 中部企業の動きに呼応

中部圏、将来の飛躍へ着々
今年3月、東山動植物園への100万円寄付贈呈式に出席した名古屋銀の横田常務(左)と酒井局長
今年3月、東山動植物園への100万円寄付贈呈式に出席した名古屋銀の横田常務(左)と酒井局長

新型コロナウイルス感染症影響で急落した中部経済の景気は、飲食やサービス業の回復は遅れているものの、製造業を中心に緩やかに改善に向かっている。厳しい経営環境ではあるが、コロナ禍であっても中部の企業は、ESG(環境、社会、企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)に対する意識が高い。金融・証券業界もこうした動きに呼応した活動の推進や、産業の下支えに貢献していく方針だ。

東海東京FH

東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FH)は、国連が提唱するSDGsの達成に向けた取り組みを推進するため、「SDGs宣言」を2020年に制定した。経営理念である「金融機能の担い手として、お客さまの資産形成や資本の充実に貢献する」事業活動を通じ、常にイノベーティブであるとともに、地域・人・地球環境を大切にし、持続可能な社会の実現を目指している。

グループの優先すべき重要課題として、健康、教育と働き方、金融イノベーション、地域経済、環境保全を掲げている。金融イノベーションについては、先進的な金融サービスの提供による多様化するニーズへの対応、次世代層、資産形成層、デジタルシニアなどへのサービス拡充に努める方針だ。

グループ中核会社の東海東京証券(本店名古屋市)は昨年10月、東京都が発行するグリーンボンド(環境債)「東京グリーンボンド」(5年債、100億円)の引受けについて、共同主幹事証券会社になった。

グリーンボンドは、環境改善効果のある事業に要する資金を調達するために発行する債券。今回の環境債発行による調達資金は、気候変動への適応、スマートエネルギー都市づくり、生活環境の向上に関連した事業などに充当される。主幹事は野村証券(事務)、大和証券も務めている。

また、今年1月には、独立行政法人日本学生支援機構が発行するソーシャルボンド「日本学生支援債券(JASSOソーシャルボンド)」(2年債300億円)の引受けにおいて、共同主幹事を務めた。

日本学生支援機構は、主に学生に対する奨学金事業や留学生の就学支援、学生生活支援を行っているが、今回のソーシャルボンドの発行による調達資金は、貸与奨学金の在学中資金として充当。日本学生支援機構が行う奨学金事業は、「極めて高い社会的意義がある」(東海東京証券)としている。

東海東京証券は、投資を通じて社会貢献をしたいという投資家の思いをつないでいくために、今回の環境債およびソーシャルボンドの販売活動を通じて持続可能な社会の実現、SDGsの達成に貢献する考えだ。

なお、今年2月には、格付投資情報センター(=R&I)による「R&I顧客本位の投信販売会社評価」において、前回評価の「A+」から「S」に引き上げられた。同評価は、銀行、証券会社などがいかに投資信託の販売において、「顧客本位の業務運営」を行っているか、その取り組み方針や取り組み状況を中立的な第三者の立場から評価するもの。評価を引き上げた理由について、R&Iの投資評価本部は「経営層が積極的に関与して顧客本位の業務運営に取り組んでいる点、『推奨リスト』導入により商品・販売戦略が明確化された点などを評価し、『A+』から『S』に引き上げた」としている。

名古屋銀の取り組み

東海に本店を置く地方銀行では、名古屋銀行がSDGsの取り組みを加速させている。

今年3月22日、名古屋市に東山動植物園への協力金100万円を寄贈した。名古屋銀の「東山動植物園応援定期預金」の残高の一定割合を協力金として市に提供しており、今年で11回目を迎えた。動物の餌代や植物の肥料などに充てられる。市役所で協力金の贈呈式が行われ、名古屋銀の横田真一常務が市の酒井康宏緑政土木局長に目録を手渡した。

横田常務は「当行はSDGsの観点からさまざまな面で協力している。多くの方々に東山動植物園に来てよかったと思っていただければ、地域に貢献する銀行として幸いです」とあいさつ。酒井局長は「引き続き名古屋銀行さまと連携、協力を図りながら、多くの方に楽しさや感動を伝えられる施設となるよう努めたい」と謝意を述べ、感謝状を手渡した。名古屋銀は、2011年に市と「東山動植物園再生プランに関する連携と協力の協定」を締結している。応援定期預金からの協力金は累計1420万円となった。

また、今年1月には、SDGs関連事業への寄付を行う投資信託商品の取り扱いを始めた。販売残高に応じて愛知県に寄付する投信商品で、地域経済の持続的成長に貢献する狙いだ。商品名は「グローバルESGバランスファンド」。愛称はブルー・アース。委託会社は野村アセットマネジメント。ESGの観点を考慮して、世界各国の債券、株式、REIT(不動産投資信託)に分散投資する。野村アセットマネジメントが、名古屋銀の販売残高に応じ、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の仕組みを活用し、愛知県が実施するSDGs関連事業へ寄付を行う。

利用者は、商品を保有することで、愛知県が実施するSDGs関連事業に貢献できる。

このほか、名古屋銀は4月1日から、中部電力グループの中部電力ミライズ(本社名古屋市)が提供するCO2(二酸化炭素)フリー電力を導入した。東海3県に本店を置く金融機関では初めての取り組みだ。環境負荷低減やSDGsへの取り組みを強化する。名古屋市中区の名古屋銀行本店ビルに導入した。年間約908トンのCO2削減効果を見込んでいる。

中部電力ミライズが提供するCO2フリー電力を導入した名古屋銀の本店(名古屋市中区)

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