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[中部圏特集・東三河地域] 東三河の製造業3社 「逆転の発想」で新市場創出へ

中部圏、将来の飛躍へ着々
「東三河ものづくり大賞」の発表記者会見で記念撮影におさまる3社の経営者と神野豊橋商工会議所会頭(前列左から2人目)
「東三河ものづくり大賞」の発表記者会見で記念撮影におさまる3社の経営者と神野豊橋商工会議所会頭(前列左から2人目)

自動車産業が集積する西三河地方に比べて派手さは少ないが、東三河地方にも技術力が高い製造業が数多くある。東三河広域経済連合会(会長=神野吾郎豊橋商工会議所会頭)が革新的な技術開発を伴う新製品に贈る「東三河ものづくり大賞」は、そんな企業にスポットライトを当てようと始めた。今年は防鳥網、果実熟度測定器、座席クッションの3製品を決めた。発表の記者会見で寺嶋一彦審査委員長(豊橋技術科学大学学長)が「逆転の発想が生かされている」と絶賛。神野会長は「成功事例を広めたい」と波及効果にも期待する。大賞の3製品を紹介する。

新国立競技場の防鳥網

岡本漁網(本社豊橋市堂浦町)が開発したステンレスワイヤー使用の防鳥網は、耐久性、耐光性、耐煙性に優れる。東京五輪の新国立競技場の防鳥網に採用されたことが、なにより高い品質を裏打ちする。

そして、製造コストが格段に低いのが大きな特徴だ。数億円とされるステンレスワイヤー専用の網製造機を不要としたからだ。

まずステンレスワイヤーに樹脂による被膜処置を施す。そして岡本漁網が稼働させているポリエチレンを前提にした網製造機に通す。そして網になった後、被膜を溶かす。晴れてステンレスワイヤーによる網が完成する。まさしく「逆転の発想」だ。

既存の網製造機に被膜したステンレスワイヤーを通す場合、直径何ミリの太さが最適なのか、試行錯誤を繰り返したのはいうまでもない。また、既存の網製造機がステンレスワイヤーの強度や重さに耐えることができるのか、接触部分の摩耗はどうか。被膜はどれほどの厚みを持たせ、どのように溶かすのか。トライアンドエラーが結実した。

農家の声に応える

東三河地方は知る人ぞ知る、メロンやスイカ、トマトの収穫地である。「いつ収穫すれば一番高く売れるのか、すぐわかる測定器を作ってくれよ」。そんな農家の声に応えたのが、千代田電子工業(本社豊川市穂ノ原)だ。

今回市場投入したハンディタイプの果実用測定器「おいし果(か) CD―H240」は、収穫物を割らなくても(非破壊)、糖度と熟度を測定できる。糖度は収穫物の甘さを、熟度は収穫のタイミングを教えてくれる。非破壊で熟度を測定できる測定器は、今までなかったという。

やや専門的になるが、熟度は果実のクロロフィルの含有量を測定することではじき出す。波長650~740ナノメートルの赤色光を発射し、果実内部で反射され、それを受け止める。赤色光の吸収や反射の率を読み取ることで熟度がわかる。

さらに大きな特徴は、0・5秒で測定できること。従来は5分程度必要だった。ハンディタイプの測定器で全品検査を可能にした。

リサイクル

「安価だけではだめ。時代のニーズに合わせてリサイクルできなければ」。そんな使命を受けて誕生したのがヒクマ(本社豊川市為当町三津市場)の座席向けクッション材だ。新幹線グリーン車への採用実績もある。

一般的にクッション材は、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)が使用される。安価なうえ、成型加工しやすい。クッション性と復元性にも富んでおり、電車やバス、自動車など幅広く採用されている。

大きな難点はリサイクルしにくく、焼却時に有毒ガスのシアン化水素が発生すること。ヒクマは、原材料をポリウレタンフォームからポリエステル繊維に変更。燃焼してもシアン化水素が発生せず、溶かせば原材料としてリサイクルできる。問題は成形加工しにくいことと、クッション性を持たせるのが難しいことだ。

ポリエステル繊維を板状に加工し、それを5~6層重ねる構造とした。層ごとに繊維の太さを変え、空気の含む量を調整。ポリウレタンフォームに近い座り心地を実現させた。

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