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[中部圏特集・スタートアップ]世界最高レベル「ステーションAi」24年めどに整備 新時代のスタートアップ拠点 起業家を育て、支える

中部圏、将来の飛躍へ着々
「スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市」記念事業討論会の様子(2020年9月4日)
「スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市」記念事業討論会の様子(2020年9月4日)

数人規模のチームで、イノベーションを起こし新しいビジネスモデルを手探りで構築して急成長を狙う企業、いわゆるスタートアップ。その振興には起業家を育て、支えるエコシステム(生態系)が欠かせない。拠点都市として有名なのはアメリカ・シリコンバレーや中国・深〓(圳)(しんせん)だが、近年、日本でも地域一体となってスタートアップを振興する機運が高まってきている。

 

中部圏では愛知県、名古屋市、中部経済連合会、名古屋大学および浜松市などで構成する「セントラル・ジャパン・スタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」が2020年、国の支援を受けられる「スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市」に認定された。世界最高レベルのスタートアップ支援拠点「ステーションAi(エーアイ)」を2024年をめどに整備するなど、さまざまな取り組みを打ち出している。

ひとくちに支援といっても、資金を提供したり、技術を教えたり、内容は多岐にわたる。なかでも名古屋市を中心に広がりを見せているのがインキュベーション施設だ。創業のために必要な事務所の賃貸や、専門家の無料相談など、スタートアップに必要な資源を提供する。中部経済連合会と名古屋市が設立した「ナゴヤイノベーターズガレージ」(中区)は、異業種異分野の交流・対流からイノベーションを誘発し、加速させることを目的にした会員制コワーキングスペースだ。閉校になった那古野小学校を改装した「なごのキャンパス」(西区)は、東和不動産を代表とする共同体が事業を進める。コワーキングスペースやレンタルスペース、個室オフィスなどを設けて、利用者の規模や用途に合わせて柔軟に対応する。体育館やグラウンドを一般にも開放して、地域のにぎわい創出にも貢献する。そのほか「ミッドランドインキュベーターズハウス」(中村区)、「名古屋医工連携インキュベータ」(千種区)、「クリエイション・コア名古屋」(守山区)、「名古屋ビジネスインキュベータ金山」(中川区)などがある。

情報サービス会社ユーザベース(旧イニシャル)の報告書によると、国内スタートアップが2020年に調達した資金総額は4611億円。2012年以降、右肩上がりで伸びていたが、コロナ禍の影響は避けられず、2019年の5254億円から約10パーセント減となった。セクター別では人工知能(660億円)が最も多く、SaaS(サース、556億円)、FinTech(フィンテック、526億円)、CleanTech(クリーンテック、292億円)、シェアリングエコノミー(290億円)、コマース(274億円)、コンテンツ/著作権ビジネス(271億円)、製薬/創薬(239億円)、HRTech(エイチアールテック、234億円)、IoT(アイオーティー、228億円)と続いた。このランキングからも分かるように、ITと環境をキーワードとする産業に期待が寄せられている。

新型コロナウイルス感染症の影響について正確な想定、予測は難しいが、IT産業の集積の薄さが地域の弱みであった中部圏にとって、コロナ禍というピンチは、有望なスタートアップを呼び込み、育てる千載一遇の機会になるのではないだろうか。スタートアップの資金調達額を都道府県別で見ると、東京都が圧倒的な首位。全体の8割を占めている。しかしリモートワークが進展するなど、新しい生活様式が声高に叫ばれるようになって、東京一極集中が緩和される可能性が出てきた。中部圏の屋台骨を支える自動車産業は「100年に一度の大変革期」であり、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(マース、移動のサービス化)といった新領域に適応する異業種連携やスタートアップへの積極投資は避けて通れない。名古屋を中心とする中部圏の真価が問われるのは、これからだ。

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