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2020年年末回顧 中南勢 改元ムードから一転、観光業苦戦 コロナ後を見据えた 新しい集客のカタチも

参拝者数が大幅に減少している伊勢神宮
参拝者数が大幅に減少している伊勢神宮

 観光業が盛んな中南勢地域では2020年、新型コロナに大きく振り回された。観光施設は休業を余儀なくされ、宿泊施設でもキャンセルが相次いだ。昨年、令和への改元でにぎわった伊勢神宮では、今年3月以降、参拝者数(内宮、外宮合計)が激減。観光事業者にとって苦しい1年となった。一方、コロナ後を見据えた新しい観光地づくりも進んでいる。休暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」や旅館の1泊2食を見直す「泊食分離」など、各地で実証実験が始まっている。
 伊勢神宮では3月、参拝者数が前年同月比5割まで落ち込んだ。ただ当時は「書き入れ時のゴールデンウイークまでには収まってくれれば大丈夫」(県内宿泊施設担当者)といった声も聞かれ、楽観的な見方がもっぱらだった。
 しかし、4月に全国で緊急事態宣言が発令され、4、5月ともに伊勢神宮への参拝者数は前年同月比9割以上減少した。内宮近くの観光商店街「おかげ横丁」を運営する「伊勢福」(伊勢市)も飲食店など全50店を5月末まで休業。観光施設の多くが休業期間を延長した。
 誘客イベントの中止なども影響し、伊勢市観光協会の浜田典保会長は「売り上げが前年同月比で80~98%減少した事業者もあった」と話していた。
 7月末から始まった「Go To トラベル」キャンペーンの効果で9月の伊勢神宮への参拝者数は、前年同月比約6割、東京がGoTo対象となった10月には、7割まで回復した。「稼働率が前年以上となった」(宿泊施設担当者)という声もあった。
 しかし11月中旬から再び感染者数が増加傾向になり、GoToの年末年始一時停止が決まった。伊勢市観光協会の担当者は「内宮周辺の事業者からは、『今まで経験したことのない年末年始になるのでは』と警戒の声を聞いている」と明かす。
 一方、新たな観光の形を模索する動きも生まれた。三重県では今秋から、「ワーケーション」推進を本格化。受け入れ施設の態勢構築を目的に、県内各施設で実証実験を行い、課題の掘り起こしを進めている。
 また県は、人手不足や旅館の低稼働率といった課題解決に向け、鳥羽市相差地区で実証実験を開始した。夕食を提供するセントラルダイニングを整備。旅館などは、夕食の提供を同施設に任せ、人手不足解消やコスト削減を狙う。また各旅館がそれぞれ保有する送迎用バスを一本化し、共同バスとして運行する。
 年末年始にはGoToトラベルの一時停止など、不透明な状況は続くが、県内ではコロナ後を見据えた持続可能な観光地づくりも進んでいる。
(伊勢・川原和起)

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