愛知の企業、女子サッカー支援 「ラブリッジ」なでしこへ きょう昇格決定戦
16社が選手雇用
チームの前身は1995年、名古屋グランパスジュニアレディースとしてジュニアチームが発足した。愛知県2部、1部リーグを経て、東海リーグに昇格。2014年に現在の所属リーグに昇格した。チーム名は17年にNGUラブリッジ名古屋に名称変更した。
14年10月にチャレンジリーグに参入した当初、選手の雇用先企業数は4社のみで、チームの協賛企業も10社程度だった。その後は、なでしこリーグ1部昇格を目指すラブリッジ名古屋の理念に賛同する企業も増えた。20年現在、クラブ全体で社会人は30人が所属。雇用先企業数は14年比4倍の16社に、協賛企業は5倍の50社程度に拡大している。
選手目線で支援
安藤証券(本社名古屋市)は、ラブリッジ名古屋の選手2人を雇用している。安藤敏行社長は「スポーツ選手は技術を磨いて成長しなければならない。雇用を伴ったほうが、(経済的に)安定して成長しながら戦うことができる。選手目線のサポートを続けたい」と雇用方針を語る。
医療機器メーカーの朝日インテック(本社瀬戸市)も選手2人を雇用している。宮田昌彦社長は「ラブリッジの選手が社員として働いてくれることで、他の社員もチームに対する思いが強くなっている。上位リーグや海外のチームでも活躍できる選手になってほしい一方で、社会人としての成長を願っている」と語る。
今シーズン開始当初はチーム最多となる5人を雇用(うち1人は海外移籍)した自動車部品メーカーの河村工機製作所(本社名古屋市)の藤本徹社長は、チームが勝利すると特別ボーナスを付与する「勝利給」を用意する力の入れようだ。過去7人を雇用していたシーズンもあった。藤本社長は「サッカーでも仕事でも、誰かのためになることにしっかり打ち込んでほしい。上位リーグに昇格し、活躍を期待したい」と話した。
来季株式会社へ
19日の勝負の一戦を前に朗報が飛び込んできた。17日に開催した、なでしこリーグ理事会において、NPO法人ラブリッジが株式会社ラブリッジに運営法人を移管することが承認された。21年2月に予定している新シーズンから本格始動する。現NPO法人理事長で、株式外会社の社長を務める堀田崇氏は「将来的にサッカー女子プロリーグの『WEリーグ』参戦を見据え、社会的信用力の向上も狙い、株式会社化を判断した。地域の皆さまから、より多くのご支援をいただき、チームを強くしていきたい」と意気込む。
愛知県サッカー協会の中村昌弘会長は「女子サッカーを取り巻く環境は決して良くはない。ラブリッジ名古屋が活躍することで、女性スポーツ環境の改善や愛知県の女子サッカー人口の増加、さらにはより多くの企業にラブリッジの活動を応援していただくことで、地域経済の盛り上がりにつながれば」と話している。