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中部のホテル・旅館業界 GoTo効果、「まだら模様」 休業や突然の自己破産も

GoToの恩恵も乏しく、厳しい経営を強いられている宿泊施設は少なくない
GoToの恩恵も乏しく、厳しい経営を強いられている宿泊施設は少なくない
 国が観光需要喚起策として打ち出した「Go To トラベル」が始まって3カ月余りが経過した。中部地方のホテル・旅館業界はGoToを追い風に、減少した宿泊者を着実に取り戻している施設がある一方、好転する兆しがみえない施設もあり、効果はまだら模様だ。特需を受けられず、昨年開業したホテルが休業を余儀なくされるほか、突然の自己破産もあった。新型コロナウイルスの感染状況は予断を許さず、厳しい経営を強いられている施設は少なくない。

あす営業休止
 ビジネスホテルの「ホテルABC」(名古屋市中村区太閤)は11月1日、営業を休止する。客室126室の中規模ホテルで、昨年5月に新規開業したばかり。コロナ前はビジネス客や観光客らでにぎわい、8~9割台と安定していた稼働率はコロナ流行で1割台まで急落。ホテルの売り上げは10分の1に激減した。
 運営会社の原本大吉社長は「GoToトラベルは期待外れ。GoTo後はむしろ宿泊者が減ってしまった」と打ち明ける。
 当初はコロナ収束を半年から1年先と見込んでいた。集客を増やすためのてこ入れを検討したが頓挫した。「我慢の限界。少しでも出血を少なくするために今回の(休業する)タイミングになった」と悔しさをにじませる。営業の再開時期は未定という。運営会社はグループで駐車場運営やゴルフ会員権の売買などを展開しており、今後はホテル以外の事業に経営資源を振り向ける。
平均稼働率3割
 430の宿泊施設が加盟している愛知県ホテル・旅館生活衛生同業組合(事務局名古屋市)の加藤忠則専務理事は「一部ではGoTo効果がみられる。しかしコロナの影響の方が大きい」と苦々しく語る。加盟施設の平均稼働率は現在も対前年比3割にとどまる。年末年始は忘年会や新年会でにぎわう書き入れ時。しかし足元の宿泊予約は厳しいままだ。
 自己破産や廃業した施設もある。「豊橋パークホテル吉祥閣」(豊橋市)が9月、「旬樹庵紫翠閣とうふや」(豊田市)が10月にそれぞれ自己破産した。ホテルミラーゴ中部空港(常滑市)は10月に廃業した。加藤専務理事は「みんな苦しい状況を話さない。突然自己破産(を知る)ということもある」と吐露する。
 三重県では「都シティ津(旧・津都ホテル)」(津市)が9月に休業した。同ホテルは、中部国際空港と津市を結ぶ高速船が発着する港に近く、近年は訪日外国人観光客(インバウンド)の宿泊が増えていたところにコロナの直撃でインバウンド需要は蒸発した。今後の回復も見込めず「営業再開のめどはたっていない」(都シティ津の担当者)と話している。

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