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企業立地特集

[中部圏特集・窯業] 日常生活から、工業製品まで暮らしを支えるファインセラミックス技術 

中部圏、ニューノーマル時代へ
鉄鋼用大型砥石工場(中国・蘇州)
鉄鋼用大型砥石工場(中国・蘇州)

 世界最大のセラミックス企業集団である森村グループ(ノリタケカンパニーリミテド・TOTO・日本ガイシ・日本特殊陶業)。セラミックス技術は自動車やエネルギー、環境、医療など幅広い分野に応用され、私たちの生活に欠かせないものになっている。

■ノリタケカンパニーリミテド


ノリタケカンパニーリミテドは、主力事業である工業機材事業の
中国蘇州の工場で鉄鋼メーカー向け研削砥石の製造を行ってきた。そして、世界的に需要が拡大している同市場向け大型研削砥石製造のため、新棟建設と製造設備の増強を行った。

セラミック・マテリアル事業では、5G(次世代通信規格)やIoT(モノのインターネット)、遠隔技術の普及と自動車の電動化の発展を見据え、需要の増加が期待されるMLCC(積層セラミックコンデンサ)の材料である電子ペーストを増産するため、新たな拠点への生産ライン増設を実施した。

エンジニアリング事業では、原料を均一に混合するスタティックミキサー(混合攪拌装置)を酒造メーカー向けに実証試験を進めてきた。2年を超える検証の末、日本酒の味わいと香りを長期に良好に保つ効果が確認され、導入が進んでいる。

今後も自由な発想で競争力のある新商品・新技術の開発と海外市場の開拓に力をいれていく。

■TOTO


TOTOは、”あんしん”なリモデルを実現するための新たな戦略「あんしんリモデル戦略」に力を入れている。同戦略では、リモデルの進め方やリモデル後のアフター対応までいつでも相談できる「リモデルサポートデスク」、リモデルの参考価格や豊富な実例、進め方・手順などの情報をウェブサイトで提供する「リモデルライブラリー」を設置。さらに、独自に設定した”あんしん”基準を満たすリモデルクラブ店約5千店のネットワーク「リモデルプロショップ」で提案力を強化している。

4年ぶりにフルモデルチェンジしたシステムキッチン「THE CRASSO(ザ・クラッソ)」は、「デザインと機能の融合」を消費者の声とトレンドを取り入れてさらに進化させた。TOTO独自の「クリスタルカウンター」、調理動作に無駄がないフロアキャビネットの「たっぷりラクラク収納」、コンロまわりと水まわりの向上による汚れにくさと掃除のしやすさで、「美しく、使いやすく、きれい」なキッチンを実現した。

■日本ガイシ


日本ガイシは昨年、チップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」シリーズを事業化した。エナセラシリーズは、電極に同社独自の結晶の向きを揃える技術を生かした「結晶配向セラミックス板」を適用し、小型・薄型で高容量、低抵抗、高耐熱性を実現している。IoTモジュールの本格普及の妨げとなる電源確保の課題を解決する蓄電デバイスとして高い評価を受けている。

また、今年7月には、動作温度範囲の上限を105度に引き上げた「エナセラコイン」の新型を開発した。新型のエナセラコインは、昨年12月に開発した高耐熱タイプ(動作温度上限85度)を改良した。世界で初めて85度という高温での使用を可能にしたが、その後、顧客からの要望を受け、容量・出力を維持しながらさらに使用温度の上限を高めた。

今回の開発で、リチウムイオン二次電池と同等以上の電池性能、最高レベルの耐熱性能を持つことを実証した。ガイシは、車載や産業用などさまざまな領域で使用されるIoTデバイス向け小型電源として採用が進むと見込んでいる。

■日本特殊陶業


日本特殊陶業はこのほど、新たに長期経営計画(2020年度~2029年度)を策定した。新長計の行動指針は「Change with Will !!(チェンジ ウィズ ウィル)」。環境変化に適応するため、組織の変革を進め、志を持った多様な人財とともに社会と共生するグローバル企業にしていく。

製品開発については、SDGs(持続可能な開発目標)を念頭に置いて進めていく。環境・エネルギー分野では、無理なく無駄のないエネルギー・環境社会の実現のため、センシング技術を利用し一次産業の効率向上を図るとともに、再生エネルギーの安定供給を目指す。現在、センシング技術を生かし、陸上養殖用の水質モニタリング装置を開発している。

モビリティ分野では、セラミック部品による電費向上やMaaS(次世代移動サービス)の提供を行う。医療分野では、米国ケア社の買収以来、堅調に伸ばしている呼吸器ビジネスをさらに育成していく。情報通信分野では、仮想と現実がつながる高速通信社会の実現に向け5G向けアンテナモジュールを開発しており、すでに28GHz(5Gミリ波周波帯)でデータ通信が可能であることを実証している。今後は6G時代も見据え、世の中の情報通信分野に貢献する製品開発を進めていく方針。

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