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[中部圏特集・自動車4] 期待集める実証都市「ウーブン・シティ」 先端技術で未来開く サプライヤー各社、新領域へ着々 

中部圏、ニューノーマル時代へ
今年の「CES2020」で豊田章男社長が表明した「Woven・City(ウーブン・シティ)」計画
今年の「CES2020」で豊田章男社長が表明した「Woven・City(ウーブン・シティ)」計画

 自動車業界は電動化など「CASE」に代表される技術革新のうねりにさらされる一方、これまで培ってきた得意技術や先端技術を生かして新たな事業領域を切り開く動きも加速している。

■コネクティッド・シティ


今年の初め、自動車業界のみならず産業界で大きな話題をさらったのが、トヨタ自動車の豊田章男社長が米国ラスベガスで開かれた世界最大のデジタル技術見本市「CES2020」の中で静岡県裾野市に建設を表明した「Woven・City(ウーブン・シティ)」計画だ。

多様なモノやサービスがインターネットを介してつながる”コネクティッド・シティ”となる実証都市で、トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地に2021年初頭に着工する。面積は約70万平方メートルで、ナゴヤドームのおよそ15個分に相当する広さを誇る。そこに従業員ら約2千人が居住し、自動運転やパーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム、人工知能(AI)技術などの導入・検証を行う。次世代移動サービスの中核に据える自動運転の電気自動車(EV)「e―Palette(イーパレット)」を移動店舗としても活用する考えだ。

豊田社長は「バーチャルとリアルの世界の両方でAIなどの将来技術を実証することで、街に住む人々、建物、車などモノとサービスが情報でつながることによるポテンシャルを最大化できると考えている」と語る。トヨタは25年ごろにロボットアームを使って物の運搬機能などを持つ家事支援ロボットの投入も計画しており、ウーブン・シティでのさまざまな実証実験を通して、クルマづくりの会社から生活創造型の事業構造へと大きく進化させる考えだ。

トヨタはこうした街全体をインターネットでつなぐ次世代都市事業を推進するため、3月にNTTと資本業務提携することで合意し、相互に2千億円を出資することも決めた。

生活、ビジネス、インフラなどのすべての領域に価値提供を行う「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築し、まずは静岡県裾野市のトヨタ東日本東富士工場跡地や東京都港区・品川駅前のNTT街区の一部で実装し、その後他の都市にも展開していく予定。トヨタは次世代通信規格「5G」を使った次世代車の開発も加速させる。

■活路を模索


新型コロナの影響で、自動車業界は生産能力の増強投資を一部先送りするなどの動きも出ているが、研究開発に関する投資は高水準を維持する企業が目立つ。電動化や自動運転など「CASE」対応や仲間づくりを急ぐほか、将来にわたる収益源を育成するため自動車分野以外の活路を模索する動きも広がっている。

東海理化は年明けからカーシェアリングや社有車管理向けにデジタルキーサービスを開始する計画。ITコンサルタントのdotD(ドットディー、本社東京都)と協業し、dotDはサーバー構築の技術支援や販路開拓のサポートを行う。

豊田合成は、ウイルスの殺菌力が高い「深紫外LED(発光ダイオード)」の開発を進めており、新型コロナウイルスに対し、5秒以内の照射で99・999%以上不活化することが可能。この深紫外光源モジュールを組み込んだ水浄化ユニットを開発しており、出資先であるWOTA(ウォータ、本社東京都)が11月に発売する水循環型ポータブル手洗いスタンドに搭載される予定。

住友理工は、診断用機器「体動センサ」が大阪大学の新型コロナ関連研究に採用された。阪大を中心とする研究開発チームは新型コロナ患者が重症化する前に呼吸異常が始まっている可能性に着目。睡眠時の呼吸状態から心不全などの予兆を早期に察知するシステムを開発しており、このシステムに体動センサーが活用される。早期の治療だけでなく、オンラインの監視で医療従事者の感染リスク回避にも貢献できるとみている。

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