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[中部圏特集・自動車3]トヨタ、電動車における全方位戦略を加速 勢い増す「CASE」 技術や組織改革進む

中部圏、ニューノーマル時代へ
今年末の登場が期待される燃料電池車「MIRAI」の次期型モデル
今年末の登場が期待される燃料電池車「MIRAI」の次期型モデル

 試練の時を迎えている自動車業界。「CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる技術革新の波は勢いを増し、対応次第では巨大な波に飲み込まれる可能性すら指摘されている。中部の自動車産業各社はこれまで蓄積してきた技術力に一層磨きをかけるとともに研究開発費を高水準に設定し、難局を切り開く構えだ。

■部署新設、格上げ


トヨタは昨年7月、ものづくりの力を磨くために本部・カンパニー格の部署として「クルマ開発センター」を新設した。TNGA推進部やパワートレーンカンパニーの製品企画などの一部を集約し、開発のスピードアップや商品競争力の強化を図っている。また、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の企画を担う「トヨタZEVファクトリー」も本部・カンパニー組織として格上げしており、ZEV(ゼロエミッションビークル)に関する製造までの取り組みを一気通貫で行い、電動車における全方位戦略を加速させている。

トヨタは従来、2030年の電動車販売台数を世界販売台数の約半数に当たる550万台とする目標を掲げ、このうち450万台をハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)で、100万台をEVとFCVとする方策を示してきた。しかし、欧州や米国、中国など世界の至るところで環境規制が厳しさを増しており、計画達成を5年前倒しで実現させる方針を打ち出している。

これまでにも電動車の開発や商品ラインアップの拡充を積極的に進め、1997年に電動車時代を切り開いたHV「プリウス」の商品化をはじめ、20年以上にわたって普及に努めてきた。

一方、14年には量産型FCV「MIRAI」を日本で発売し、その後米国、欧州にも展開先を広げた。FCVは走行時に水しか出さない車で、HVなどとともにエコカーの拡販で二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減に貢献する。20年中にはFCV「MIRAI」の次期型が登場する見込みとなっている。トヨタは日野自動車と北米で燃料電池(FC)を使って走行する大型トラックを共同開発することも発表。2021年前半に試作車両を開発し評価を進める計画で、グループを挙げた取り組みが加速する。

水素社会の実現に向けてトヨタは20年ごろの稼働開始予定で、燃料電池と高圧水素タンクの生産設備を拡充する。現在は燃料電池とタンクは本社工場(豊田市)で生産して元町工場(同)で組み立てているが、本社工場には燃料電池用に8階建て、延べ床面積約7万平方メートルの建屋を建設。みよし市の下山工場内にはタンクの専用生産ラインを設ける。

■対応急ぐ部品各社


こうした電動化推進の流れを受け、サプライヤー各社も研究開発や設備投資の強化、他社との協業を積極的に進めている。

デンソーは自動車の電動化領域で開発・生産体制を強化するため、安城製作所(安城市)内に今春、「電動開発センター」を新設。基幹部品の開発から量産まで一貫して行う態勢を整備した。配置従業員は約2400人。デンソーとアイシン精機、ジェイテクト、アイシン精機子会社のアドヴィックス(本社刈谷市)の4社は昨年4月に自動運転や車両運動制御のための統合ECUソフトを開発する合弁会社「ジェイクワッド ダイナミクス」を設立。センサーやステアリング、ブレーキといったハードウエアを組み合わせることで、より高度な自動運転技術を実現していく。さらにデンソーとアイシン精機は駆動モジュール開発・販売の合弁会社「ブルーイーネクサス」も折半出資で昨年4月に立ち上げた。同社にはトヨタが10%出資する方針をこのほど発表した。ブルーイーの電動駆動モジュールのラインアップにトヨタのエンジンや電池などの周辺ユニット、制御適合技術を加えることで、より最適なシステムを提供する狙いだ。

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