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企業立地特集

[中部圏特集]スタートアップ 革新的なアイデアで事業生み出す起業家を 中部の起業風土醸成へ 創業支援施設、開設相次ぐ

中部圏、ニューノーマル時代へ
異業種交流の場としても活用されるなごのキャンパスのコワーキングスペース
異業種交流の場としても活用されるなごのキャンパスのコワーキングスペース

 日本経済を活気づけ、再び成長軌道に乗せるには、従来の発想とは異なる新しい視点で事業を生み出す起業家の活躍が不可欠だ。そして、地域経済を支える基盤産業と、起業して間もないスタートアップ起業の革新的なアイデアを共存させながら、経済の好循環を生み出していく。そんなエコシステムの構築を目指す動きが加速している。

■拠点都市名古屋


内閣府が打ち出したスタートアップ・エコシステム拠点都市に選ばれた名古屋では、スタートアップ企業を支援するインキュベート(創業支援)施設の開設が相次ぐ。「なごのキャンパス」(西区)は、閉校になった那古野小学校を改装して2019年10月に開業。東和不動産を代表とする共同体が事業を進める。従来型の個室オフィスに加えて、コワーキングスペースやシェアオフィスなどを設けて、利用者の規模や用途に合わせて柔軟に対応するほか、体育館とグラウンド等のレンタルスペース、旧給食室(飲食店)は一般にも開放する。入居するベンチャー企業は、AI・IoT、SNSマーケティング、ファッション企画、建築設計のオンライン制作、外国人就労支援など多種多様。賃料は割安で、スタートアップ企業向けの補助金を踏まえると、周辺オフィス相場の3割程度で利用できる。東和不動産の担当者は「18ある個室のオフィススペースはオープン以来満室。個室を増室したが引き続き強いニーズがある。今後は、ここで起業したいという企業への支援、異業種コラボの後押しに加えて、地域のにぎわい創出にも貢献したい」と話す。11月13日からの3日間は開業1周年を記念して、トークショー、ナイトシアター、地元グルメ販売など、趣向を凝らしたイベントを開催する。

同じ官民協働のインキュベート施設でもコワーキングスペースを中核とするのは2019年7月にオープンした「ナゴヤイノベーターズガレージ」(中区)。場所は再開発ラッシュに沸く栄エリアのナディアパークデザインセンタービル4階。中部経済連合会が設けた中部圏イノベーション推進機構が施設を運営し、名古屋市が賃貸料などを負担する。

学生ベンチャーの支援、育成を目的にしているのは名古屋大学が運営する「オイックス」(中村区)。JRゲートタワー27階にあり、入居者は理工学系の研究開発が多い。

そのほか、ミッドランドインキュベーターズが運営する「ミッドランドインキュベーターズハウス」(中村区)、中小企業基盤整備機構が運営する「名古屋医工連携インキュベータ」(千種区)および「クリエイション・コア名古屋」(守山区)、名古屋産業振興公社が運営する「名古屋ビジネスインキュベータ金山」(中川区)などがある。

■資金調達額2位


名古屋を中心とした中部圏は、日本を代表する製造業の集積地であり、これまで多くの世界的企業やリーダーを輩出してきた。一方で保守的な側面があり、成長著しいIT分野では存在感を発揮できていないという声もある。国内スタートアップの資金調達や投資動向について、情報サービス会社のイニシャルがまとめた「ジャパン・スタートアップ・ファイナンス2019」によると、名古屋の資金調達額は神奈川と並んで全国2位ながら、全体の4%程度にとどまる。東京はダントツの79%を占め、一極集中の様相を呈している。リニア中央新幹線が開業すれば名古屋のヒト、モノ、カネが東京圏に吸い取られるストロー現象も懸念される。そうならないためにも地方都市に眠る力を目覚めさせ、名古屋に起業風土を醸成させることが期待されている。

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