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【中部圏特集・リニア中央新幹線】品川―名古屋間の開業に向けて 大動脈輸送を二重化へ

ポストコロナ時代の環境ビジネス
山梨リニア実験線(山梨県)での走行試験も繰り返されている
山梨リニア実験線(山梨県)での走行試験も繰り返されている

 東京と名古屋を最速40分で結ぶリニア中央新幹線。品川(東京)―名古屋間の2027年開業を目指し、各所で工事が進む。リニアによって東京―名古屋間の移動時間は大幅に短縮される。日帰りの通勤・通学圏内になり、人の流れは大きく変わる。大阪までの延伸も当初予定の2045年から、最大8年の前倒しが目指されることに。東名阪がリニアで最速67分でつながれば、三大都市圏がひとつの巨大都市圏を形成することになる。

試験の積み重ね


リニアプロジェクトは世界初の超電導磁気浮上式鉄道で、時速約500キロで走行し品川(東京)―名古屋間を最速40分、品川―大阪間は同67分で結ぶ。建設費は総額9兆円にのぼる超ビッグプロジェクトで、経済界も熱い視線を送っている。

超電導リニアの研究開発は1962年に開始。山梨リニア実験線(山梨県)での走行試験は1997年から始まった。しかし、北海道や九州など全国各地で整備新幹線の建設計画が進められていたことで、リニアの事業化のメドはなかなか立たなかった。

そこでJR東海が、政治判断に左右されることなく自立的にプロジェクトを遂行できる方法として建設費の「全額自己負担」を決断。全国新幹線鉄道整備法(全幹法)や環境影響評価(アセスメント)法に基づく手続きを進め、2014年に国から認可を受けてついに着工した。

走行試験が重ねられてきた山梨リニア実験線では、13年から営業線仕様の車両「L0系」を走行。今年3月には、改良型試験車が完成し報道陣に公開された。先頭形状を変えて空気抵抗を13%減らし、消費電力や車外騒音を低減。営業線に必要な技術開発はすでに完了しているが、今後もさらなる開発、改良が進められていく見通しだ。

そもそも日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線は、開業から半世紀以上が経過。将来の経年劣化や南海トラフ地震の発生など大規模災害に備える必要があった。リニアによって輸送を二重化することで、大動脈としての機能はさらに強化される。

高まる期待


リニアプロジェクトは、まず品川(東京)―名古屋間を先行開業してから名古屋―大阪間を延伸する2段階方式。27年予定の品川(東京)―名古屋間の開業後、大阪までの延伸には10年程度かかる見通しで、名古屋が「リニアの終着駅」となるこの期間をにらんで中部経済界では「名古屋が第2首都・新副都心になるチャンス」との声もあがる。

建設は現在、静岡工区で着工できていないが、全体でみれば着実に進んでいる。昨年、JR東海は用地部を新設し、名駅周辺の用地買収(契約件数)は西側で8割、東側で7割を超えた。リニア関連部署の人員は150人増の1480人規模に拡大した。

投資のペースも上がっている。JR東海の20年度の連結ベースの設備投資額は7180億円。計画段階の比較では前年度の6210億円を超え、過去最大となる。リニア関連の投資額は3800億円で、前年度計画から700億円と大きく増加する。沿線各地で工事が本格化しており、駅の建設などをさらに進める。

一方、名古屋鉄道は、リニア開業の時期をめどに名駅をリニューアル。駅ビルも大規模な再開発を行う計画を打ち出している。名古屋の街が今後、どのように姿を変えていくのか―。中部経済界の期待は年を追うごとに高まっている。

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