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【中部圏特集】中部経済の見通し 東海財務局長インタビュー 新型コロナへ迅速に対応 「果たす役割は大きい」

ポストコロナ時代の環境ビジネス
「金融機関の取り組みをしっかり後押ししていきたい」と話す藤本局長
「金融機関の取り組みをしっかり後押ししていきたい」と話す藤本局長

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、幅広い業種に広がっている。金融機関への相談件数も急増している。「この困難を乗り越えるためには金融機関の果たす役割は大きい」と強調する東海財務局の藤本拓資局長に中部地区経済の現状や新型コロナへの対応について聞いた。

 ―中部地区経済の現状は。

「1月末に発表した東海財務局管内の経済情勢は、総括判断を『拡大の動きに一服感がみられる』とし、28期ぶり、7年ぶりに下方修正した。地域の主力産業である自動車産業は、国内向けで新型車効果が落ち着き、輸出は現地生産進展で高水準ながら弱含みに推移。その影響が電機機械、鉄鋼に波及した。金属工作機械は海外経済減速の影響で生産が減少した。ただ、下方修正したが、他地域と比べると高い水準が続いている」

「3月12日に公表した20年1―3月の法人企業景気予測調査では、前期に比べて『上昇』から『下降』の割合を差し引いた景況判断で製造、非製造業ともに下降超幅が拡大した。前回も下降超だったが、要因は米中貿易摩擦の長期化と中国経済の減速、暖冬による冬物衣料の不振、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生産活動と消費の減速が影響を与えたものと考えられる。一方で設備投資は高い水準を維持している。雇用も不足気味。東海地域の経済は好調な設備投資などが牽引(けんいん)し、緩やかな拡大基調を続けてきたところであるが、今は足下の新型コロナウイルスの感染が内外経済に与える影響に十分注視する必要がある」

「法人企業景気予測調査の企業へのヒアリングでは、新型コロナウイルスの影響について、製造業はサプライチェーンの乱れや輸出の減少、非製造業ではインバウンド(訪日外国人)の減少による免税店やホテルの売上減、国内のイベント中止や外出自粛による小売店やレジャー施設の来店客数の減少や売上減、今後の動向を懸念する声が出ている。東海財務局としては引き続き、企業へのヒアリングなどを通じて情報を集めながら、東海地区に与える影響を注視していきたい」

 ―中部地区経済が抱えるリスクとその対策は。

「輸出型企業が多く集積する東海地区では、通商問題の動向、世界経済の不確実性は特に大きなリスク要因となってくる。また、労働需給の逼迫(ひっぱく)が下押し要因にもなる。ただ、足下では新型コロナウイルスが当地にとって最大のリスク。このような中、感染拡大を全力で阻止する必要がある。一方で経済的影響を最小限に押さえ込む取り組みが必要である。政府としては、経済の下振れリスクを確実に乗り越えるために策定した事業規模26兆円の総合経済対策を確実に実行することに加え、2月13日、3月10日に新型コロナウイルスに対する緊急対応策を打ち出している。さらに、4月7日には、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を決定し、前例にとらわれることなく、財政・金融・税制といったあらゆる政策手段を総動員することとなった。東海財務局としても、引き続きヒアリングなどを通じて情報を集めるとともに、必要な対応を迅速に行えるよう財務省と連絡を密にしていきたい」

―金融機関への対応は。

「金融庁と財務局は金融機関に対し、国内の感染状況に合わせて、2月中に数次にわたって感染拡大の防止と顧客からの経営相談への対応、資金繰り支援を要請した。3月6日には、麻生太郎財務大臣から資金繰り支援、新規融資、条件変更に迅速に対応するよう要請が出されている。東海財務局では、文書通知にとどめることなく、金融機関トップに直接要請を行った。とにかくお困りの事業者の皆さまへの新規融資、債務の返済猶予の相談に迅速かつ柔軟に対応し、また政府系金融機関とも協調、連携するようお願いした。金融庁と財務局では、民間金融機関における事業者の資金繰り支援の促進を当面の検査・監督の最重要事項としている。今後、金融機関に対し特別ヒアリングを実施して、条件変更などの取り組み状況の報告を求め、公表していく」

「また、東海財務局では、新型コロナウイルスに対する相談ダイヤルを開設している。『資金繰りで不安があるけどどこへ行けばいいのか』などの相談を受けている。今後も引き続き対応していきたい」

「日本政策金融公庫の業務が多忙になっており、3月下旬には民間金融機関に連携強化を要請した。東海財務局による金融機関へのヒアリングでは、飲食や宿泊といったサービス業の予約キャンセルによる売り上げ減、輸入部品や材料の供給困難から製造・建設にも影響が広がっている」

―今後、東海財務局として力を入れていくことは。

「この困難を乗り越えるためには金融機関の果たす役割は大きく、期待は高まっている。東海財務局としても金融機関の取り組みをしっかり後押ししていきたい。金融機関には、相当数の相談が寄せられている。金融機関によっては、新型コロナ対応の特別融資を創設して緊急的な貸し出しを実施している。さらに、情報収集を強化して可能な限り事業者を訪問したり、4月の定期人事異動を一部据え置き、感染症対応に注力している金融機関もある。4月7日の緊急経済対策では、事業者の資金繰りをさらに強力に支援する観点から、民間金融機関でも、実質無利子・無担保、最大5年間元本据置きの融資を受けることを可能とする制度を創設することとしている。金融機関においては、こうした制度も活用しながら、引き続き、地方公共団体、信用保証協会などとも緊密に連携を図り、事業者支援を徹底してほしいと考えている」

「事態が進展していくにつれて、生じている問題点や必要な支援が明らかになってくる。臨機応変、迅速に対応していく」

全文2308文字

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