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【中部圏特集15】中小企業振興 企業の人手不足対応を支援 外国人材活用の研修実施 生産性向上へ、アプリ紹介サイトも 

中部の今を伝える中部圏特集
中小機構が開講したオンラインゼミ「ウェビーキャンパス」
中小機構が開講したオンラインゼミ「ウェビーキャンパス」
 多くの企業で人手不足対応が重要な経営課題になっている。今年4月からは働き方改革関連法が施行され、残業時間の上限規制などがスタートした。企業は、外国人を活用したり、IT(情報技術)を活用して生産性を高めるなどの対策が一層求められる。中小企業基盤整備機構では、人手不足解消や働き方改革を後押しするサービスを用意し、中小企業の成長を支援している。

■求人倍率1・59倍
 人手不足は深刻さを増している。厚生労働省の調査によると、8月の全国の有効求人倍率は1・59倍と、引き続き高い水準を維持している。東海3県では、岐阜県が全国トップの2・13倍。愛知県と三重県はいずれも1・88倍となった。
 今年4月からは働き方改革関連法がスタートした。さまざまな企業で、長時間労働を削減したり、残業時間を減らす取り組みが加速している。企業は、従業員が働きやすい環境を整備しなければ、激しさを増す人材獲得競争を勝ち抜けない。名古屋市内の製造業の社長は「仕事は多いが、新規採用は難しく、既存社員の残業時間は減らす必要がある。どう対応すべきか悩んでいる」と打ち明ける。
 同様の悩みを抱える企業は多く、各社とも対策が急務だ。
 まず各社共通とも言えるのが、人手不足への対応。解消する手段の一つとして注目されるのが、外国人の受け入れだ。
 今年4月に改正出入国管理法が施行され、「特定技能」と呼ばれる新たな在留資格が設けられた。一定の専門性・技能を持ち、即戦力となる外国人を受け入れる仕組みだ。外国人が日本で働きやすくなるため、日本の企業で外国人を活用する機会が増えそうだ。
 こうしたニーズに応えるため、中小機構が運営する中小企業大学校瀬戸校では今年12月3日、名古屋市中村区名駅の名古屋ダイヤビルディングで「外国人材活用講座」を開催する。中小企業大学校が開く講座としては、初めてのテーマになる。
 特定技能や技術・人文知識・国際業務高度人材、技能実習など、外国人の在留資格の特徴と違いを明らかにするとともに、採用から労務管理にわたる具体的な対応方法を事例を交えて紹介する。
 さらに、自社における外国人採用のメリットとデメリット、リスクと解決すべき課題を整理し、具体的な行動計画へ展開することで経営力強化に結びつける。
 中小企業大学校瀬戸校の増田武史校長は「外国人材の受け入れでは、採用に加え、定着と戦力化の取り組みが大事になる。講座では、特定技能制度の概要に加え、外国人材の育成や労務管理、経営者の心構えなど、幅広く紹介したい」と話す。
 対象者は中小企業の経営者や幹部、管理者で、受講料は1万6千円(税込み)。定員は25人。問い合わせは、中小企業大学校瀬戸校(電話0561・48・3401)まで。

■働き方改革関連法
 一方、今年4月にスタートした働き方改革関連法への対応も重要な経営課題だ。日本政府は、日本の雇用の7割を支える中小企業・小規模事業者の生産性向上の強化を重点戦略に位置付ける。
 中小企業が生産性を高めるためには、ITの導入が不可欠といわれる。しかし、中小機構の調査では、人手不足を従業員の多能工化や残業の増加などで対応している企業が6割にのぼる一方、5割強でIT活用による生産性向上が行われていないとの実態が明らかになっている。
 そこで、中小機構では、ITの活用による生産性向上を提案している。その一つが、低コストで導入しやすいアプリを紹介する情報サイトの活用だ。
 名称は「ここからアプリ」で、さまざま業種や悩み事から、企業の目的に合ったビジネスアプリを選べる。
 具体的には、受発注や会計に関するアプリ、製造業向けの生産管理、飲食店向けの顧客・予約管理などのアプリがある。紹介サイトでは、実際にアプリを導入し、業務効率化につながった事例を紹介しており、企業にとっては導入のイメージがわきやすい。
 中小機構は、経済産業省所管の独立行政法人。日本の中小企業政策の総合的かつ中核的な実施機関として、全国の中小企業への支援をトータルで行う。生産性向上や事業承継など、さまざまな悩みを持つ企業に対して、多様な支援を実施している。今後も、時代ニーズに合った支援サービスを提供していく方針だ。
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