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【中部圏特集7】エネルギー 小売り全面自由化で競争激化 重要性さらに高まる再生可能エネルギー

中部の今を伝える中部圏特集
中部電力グループの新しいシンボルマークを発表する勝野哲社長
中部電力グループの新しいシンボルマークを発表する勝野哲社長
 一般家庭が電気やガスの購入先を自由に選ぶことができる小売り全面自由化で、競争激化が進むエネルギー業界。国の「電力システム改革」と呼ばれる規制緩和の一環で、2020年4月には、送配電部門が大手電力会社から法的分離により分社化され、改革総仕上げとなる。国はエネルギー基本計画のなかで再生可能エネルギーの主力電源化を打ち出しており、今後、太陽光や風力などを電源の重要性もより一層、高まっていく見通しだ。

■発送電分離
 中部電力は7月31日、分社化する送配電部門、販売部門のそれぞれの社名と、シンボルマークを発表した。送配電事業会社は「中部電力パワーグリッド」に、販売事業会社は「中部電力ミライズ」となる。持ち株会社に移行する中部電力の社名はそのまま引き継ぐ。
 また、コーポレートスローガンには「むすぶ。ひらく。」を掲げた。人と人、人と社会、技術と技術をつなぎ、結び合わせることで、人の可能性と未来をひらいていきたい、との意味を込めたという。
 分社化後もグループの総力を結集し、地球環境に配慮した良質なエネルギーを安全・安価で安定的に届ける「変わらぬ使命の完遂」に努め、時代の変化を見据えた「新たな価値の創出」に挑戦し続ける、と誓う。
 電力システム改革では2016年4月に電気の小売り全面自由化がスタート。17年4月には都市ガスも小売り自由化が始まり、中部エリアでは中部電と東邦ガスが顧客獲得合戦に火花を散らす。6月には、京都と東京の新電力2社が、愛知・岐阜・三重の3県で都市ガス事業に新規参入し、販売を始めたと発表。エリア外からの参入で、価格などのサービス競争はさらに激しさを増している。
 電気やガスの小売りにとどまらず、エネルギー以外のサービスを組み合わせたさまざまなメニューも登場、競争はし烈を極める。中部電は顧客との接点を生かし、省エネルギーサポートやエネルギーマネジメント、地域の防犯・防災・見守りなどIoT(モノのインターネット化)技術を取り入れた新しいコミュニティーサポートインフラ企業へと、発展をめざす。家庭分野の新たな販売目標も設定。中部エリアにおいて、20年度末までに、電気またはガスとサービスのセット販売で10万件を獲得する。
 東邦ガスも、19年度からスタートした中期計画で「トータルエネルギープロバイダーへの発展」という言葉を初めて使った。同社が考えた造語で、都市ガスとLP(液化石油)ガス、電気の三つのエネルギーの最適提案と、新たなエネルギー周辺サービスによる付加価値の提供をワンストップで届けることをめざしている。

■風力発電所の建て替えも
 一方、導入拡大が続く再生可能エネルギー。中部電力グループも、取り組みを進める。風力や小水力発電を手掛けるシーテックは、津市にある「ウインドパーク久居榊原風力発電所」の建て替えに着手する。老朽化に伴うリプレースで、初めての取り組み。新設案件の推進と同時に、今後増加が予想される風力発電所の建て替えのノウハウも蓄積する狙いだ。
 また、中部プラントサービスは木質バイオマス発電所「多気バイオパワー」を運営。現在、多気第二バイオパワーの事業計画を進めている。さらに、メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業にも参画し、知多市で8月から、四電エンジニアリング(本社香川県)と共同で「知多太陽光発電所」の運転を始めた。点検や保守業務の一部も請け負う。
 国はエネルギー基本計画で、2030年に再生可能エネルギーの電源構成比率を22~24%まで高める目標を掲げており、各社の取り組みに、注目が集まっている。
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