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【中部圏特集3・自動車4】自動車関連産業、成長の基盤固めへ 国内外に積極投資 優秀な人材求め生産広域化

中部の今を伝える中部圏特集
米国投資を活発化させているトヨタ(テキサス工場)
米国投資を活発化させているトヨタ(テキサス工場)
 トヨタ自動車をはじめとする中部の自動車関連産業各社が成長基盤固めへ、国内外での投資を加速させている。海外では巨大市場である米国、中国を中心に生産能力を増強。国内では東北、九州エリアに生産を分散し、優秀な人材確保や、災害などの有事に備えたBCP(事業継続計画)対策に万全を期している。

■「130億ドル」投資
 トヨタは今年3月、2017年から5年間で米国に100億ドル投資する計画を「130億ドル」に上方修正すると発表。米国5州における車両やパワートレーン工場に7・5億ドル投資し、電動車を含めた現地生産体制を拡充。新たに600人を追加雇用する。
 具体的には、ケンタッキー工場で今年5月からレクサス「ES」のハイブリッド車(HV)、20年1月からSUV(スポーツタイプ多目的車)「RAV4」のHVを生産。生産能力はESのHVが年間約1・2万台、RAV4のHVが年約10万台を計画している。
 また、20年からウエストバージニア工場でハイブリッドトランスアクスルの生産を年12万基行う計画だが、これを21年には倍の24万基に増強する。アラバマ工場では21年までに4気筒エンジンとV6エンジンの生産能力を年23万基増強することも打ち出している。このほか、「タンドラ」などピックアップトラックを生産しているテキサス工場にも21年までに約4億ドル投資して新しい生産設備の導入など工場の刷新を進める。
 アイシングループのアイシン・エィ・ダブリュ(本社安城市)も今年4月に発表した米国での自動変速機工場の新設計画について、建設地をテキサス州にすると発表。投資額は最大4億ドルで、約900人の新規雇用を生み出す見通しだ。
 トヨタはアラバマ州にマツダとの新合弁完成車工場を建設中で、21年に稼働する予定。この動きに連動し、トヨタ紡織はマツダ系のデルタ工業(本社広島県)、東洋シート(同)と自動車用シートのアラバマ合弁会社を設立。豊田鉄工(本社豊田市)もマツダ系のワイテック(本社広島県)、キーレックス(同)の2社と組み、アラバマ州にプレス部品の合弁会社を立ち上げている。

■生産能力を分散化
 一方、国内については各メーカーとも少子高齢化社会の進展を見据えた省人化、合理化投資を景気変動に関わらず推進しているほか、完成車メーカーの東北、九州での生産増強への対応、優良な人材確保やBCP対策を狙って生産能力を分散化する動きが続いている。
 デンソーは東北地区での生産体制を継続的に行っているのに加え、今年9月にはデンソー北海道(千歳市)を拡張して電動化の進展で需要が高まる半導体センサーの生産を拡大する方針を発表。拡張建屋は21年6月に完成し、同年10月から順次生産を開始する計画。25年までの同工場への投資額は110億円にのぼり、100人程度の人員増を見込んでいる。
 トヨタの電池生産子会社であるプライムアースEVエナジー(静岡県湖西市)は、トヨタのHV用のリチウムイオン電池需要の拡大に対応し、宮城工場(宮城県大和町)に第6、第7工場の建設を決定。2工場棟とも21年に稼働させる。
 ジェイテクトは17年11月、秋田市に自動運転対応を見据えたソフトウェア開発会社「ジェイテクトIT開発センター秋田」を設立した。電動パワーステアリング(EPS)などの自動車部品のソフト開発を進める。段階的に人員を増強するとともに、首都圏などの都市部で就業している地元住民がUターン就職を希望する際の雇用の受け皿としても機能させていく考えだ。
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