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【中部圏特集3・自動車1】モビリティーの「プラットフォーマー」狙うトヨタ IT企業とも提携加速 社会課題解決で一丸

中部の今を伝える中部圏特集
デンソー、ソフトバンクグループとともにウーバーの自動運転開発部門に出資を決めた
デンソー、ソフトバンクグループとともにウーバーの自動運転開発部門に出資を決めた
 自動車業界が「CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる荒波にさらされる中、自動車はもちろん日本のものづくりをけん引するトヨタ自動車は、IT(情報通信)産業などの異業種をも巻き込んで提携戦略を加速させている。国内完成車メーカーに対してもスズキとの資本提携、スバルへの追加出資など「仲間づくり」による連携強化で世界販売1600万台規模の陣営を形成。モビリティープラットフォーマーとしての基盤づくりが着々と進む。

■モビリティーカンパニー
 「私はトヨタを自動車をつくる会社から、モビリティーカンパニーにモデルチェンジすることを決断した」―。
 トヨタ自動車の豊田章男社長は昨年5月の決算説明会で、リアルなものづくりの世界で培った強みをベースに、移動に関わるあらゆるサービスを提供する”モビリティーカンパニー”に業態を改革することを力強く宣言した。移動サービスの進展でクルマに対するニーズが「所有」から「シェア」に変化することが見込まれる中、技術やハードウェアからサービスまでを一元的に提供する仕組みを整え、CASE時代のビジネスモデルを新たに構築する構えだ。
 業態改革の大きな一歩に印象付けられたのが、昨年10月のトヨタとソフトバンクとの提携。自動運転技術などを用いたライドシェア(相乗り)など新たなモビリティーサービス事業で手を組み、共同出資の新会社「モネ・テクノロジーズ」(本社東京)を設立した。都市や地方での移動に関する社会課題解決に向け、全国の自治体や企業向けに自動運転を使った配車サービスなどを展開する。トヨタが開発中の自動運転EV(電気自動車)「イーパレット」を活用した新サービスも始める計画。
 モネ・テクノロジーズには今年3月に日野自動車、ホンダも出資。続いて同6月にも日野、ホンダは追加出資を決めたほか、いすゞ自動車、スズキ、スバル、ダイハツ工業、マツダも資本参加して合流している。
 トヨタは昨年8月、米配車大手のウーバー・テクノロジーズに5億ドル出資し、自動運転分野での協力関係を構築。ウーバーが自動運転車を使った配車サービス事業に参入する際、トヨタのミニバン「シエナ」を提供する方針を表明した。さらに今年4月にはデンソー、ソフトバンクグループとともにウーバーの自動運転開発部門に10億ドルの出資を発表、自動運転車両の開発を加速させて量産化とサービス実用化にめどをつける考えだ。

■完成車メーカーと連携
 トヨタはクルマの電動化、知能化に対応する一方で、製造業の基本であるものづくり力や次世代車の開発力を磨くため、完成車メーカーとの連携にも力を入れている。
 マツダとは資本提携に合意し、米国アラバマ州に共同出資の新工場を開設、21年に稼働させる。また、高い成長が見込まれるインドでは、現地で圧倒的に高いシェア(市場占有率)を持つスズキと組み、開発や生産、市場開拓で新たな共同事業に向けた協業で合意。今年8月下旬にはスズキと資本提携の合意を発表した。
 さらに9月には、16・8%出資しているスバルへの出資比率を20%まで引き上げて関連会社化すると発表した。トヨタとスバルは今後、通信機能を備えた「コネクティッドカー(つながるクルマ)」でも連携し、スバルはトヨタのハイブリッドシステムの採用を拡大する。共同開発したスポーツカーの次期モデルにも取り組む方針。トヨタの豊田社長は「お互いの強みを持ち寄り、もっといい車づくりの可能性を追求したい」とコメント。スバルの中村和美社長も「関係をもう1段ステップアップさせ次世代技術への対応力を強める」としており、生き残りを賭けた「仲間づくり」は次のステージへと深化を遂げそうだ。
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