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【中部圏特集1】飛躍へ動き出す中部圏

中部の今を伝える中部圏特集
9月20日に中部空港で供用開始した第2ターミナル
9月20日に中部空港で供用開始した第2ターミナル
 モノづくり産業が集積する中部圏の経済は、米中貿易摩擦の影響で不透明感が高まっているが、緩やかに拡大している。100年に一度の大変革期を迎え、主力の自動車産業のほか、各産業も新たな成長の芽を模索。スタートアップ企業を支援する拠点も相次いでオープンする予定。2027年開業予定のリニア中央新幹線を見据え、観光などサービス産業を強化する動きも進んでおり、中部国際空港では第二ターミルを開設した。名古屋市栄地区では再開発も浮上している。将来の飛躍に向け確かな歩みを続けている。

■25ヵ月連続
 日銀名古屋支店が今月9日発表した「東海3県の金融経済動向」によると、「拡大している」とする判断を25カ月連続で据え置いた。中国経済の減速の影響が一部にみられるものの、堅調な内需を背景に拡大を続けている。
 輸出は3カ月ぶりに減少したが、自動車関連を中心に高い水準にある。設備投資は製造業と非製造業とも増加を続けている。製造業では能力増強投資を先送りする動きは一部にとどまり、効率化投資や自動車の研究開発投資を中心に増加が見込まれている。非製造業も運輸などインフラ関連投資や省人化投資などの増加が見込まれている。
 個人消費は緩やかに増加している。家電や自動車などの販売が堅調に推移しており、9月末にかけて駆け込みの勢いが増した。税率引き上げ直後の販売は企業ごとにまちまちのようだ。雇用・所得情勢は人手不足を背景に労働需給が引き締まっているほか、雇用者所得は改善を続けている。
 先行きは設備投資と個人投資の増加を見込み、景気の緩やかな拡大が続くとみている。
 堅調な状況が続いているが、中部経済のけん引役である自動車産業は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)という新技術潮流に直面している。
 トヨタ自動車は、ソフトバンクと「MONET(モネ テクノロジー)」を設立し、自動運転社会に向けタッグを組んだ。他の自動車メーカーも資本参加するなど連携の輪は広がっている。また、トヨタはグループとの連携も強化している。デンソーとは車載半導体の研究開発を担う新会社を20年4月に設立すると発表した。

■スタートアップ
 新たな成長のエンジンを創出するため、スタートアップ企業を支援する動きが活発化してきた。
 中部経済連合会は7月に名古屋市中区栄のナディアパーク4階にイノベーション拠点「ナゴヤ イノベーターズ ガレージ」をオープンした。豊田鐵郎会長は「ソフト中心の東京のイノベーションを追いかけるのではなく、中部圏にはモノづくりの基盤がある。それを生かしつつ、全く新しい価値が生み出されることを期待している」と開所式であいさつした。
 また、トヨタグループの東和不動産は今月28日、名古屋市西区那古野の旧那古野小学校施設を活用し、インキュベーション施設「なごのキャンパス」を開業する。小学校施設を活用することで地域の歴史や思い出を継承するとともに、人々が交流し、新たな人材を輩出する施設を目指す。
 さらに、愛知県は名古屋市昭和区鶴舞にスタートアップ支援の拠点となる「ステーションAi(アイ)」を20年度から整備すると発表した。大村秀章知事は「鶴舞をスタートアップの聖地にする」と意気込んでいる。
 製造業だけでなく、観光などサービス産業の育成にも力を入れている。中部国際空港島(常滑市)には、8月30日、愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ)」を開業した。国内初の国際空港直結というアクセスの良さをアピールし、展示会や国際会議やライブなどを開催する。国際会議・見本市(MICE〈マイス〉)開催地として交流を生み出す。
 さらに、中部空港は9月20日、整備を進めていた第2ターミナル(T2)の供用を開始した。スタート時はLCC5社が国内外11路線で運航している。利便性と機能性を追求した最新ターミナルを起爆剤に新規就航を増やし、中部の政財界にとって悲願の第2滑走路につなげていきたい考えだ。

■都市の魅力
 都市の魅力を高めるため、再開発計画が相次いでいる。これまで名古屋駅地区を中心に高層ビルが建設されてきたが、繁華街である栄地区でも進もうとしている。
 NTT都市開発は、久屋大通公園と桜通に面した保有ビルの北西に一体的なビルを計画している。22年初頭までに開発する。
 さらに、憩いの場である久屋大通公園の整備計画ではテレビ塔を中心に店舗などが出店し、新たなエリアとして生まれ変わる予定だ。そのほか、24年度の完成に向け「中部日本ビルディング」(中日ビル)の建て替え計画が進んでいるほか、広小路通と大津通が交わる栄交差点の北東角地では大丸松坂屋と名古屋市が共同開発を予定だ。さらに、名古屋三越栄店が入居する商業ビルを運営する「オリエンタルビル」が建て替え構想を表明した。
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2019年10月31日の主要記事