「論説」 高齢化とインフルエンザ流行 福祉施設の集団感染対策を

更新日:2013年 2月 6日 (水)

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今年もインフルエンザの流行シーズンがやってきた。国立感染研究所によると、1月21~27日の1週間に全国で報告された患者数が200万人を超え、「警報レベル」になったという。昨年も1月から2月にかけ流行のピークを迎えたが、それに迫る勢いだ。
 インフルエンザは高齢や障がいを抱える人に、より重い影響をもたらす。全国のあちこちの医療機関で、入院患者や職員の集団感染が相次ぎ、中には死亡例もある。集団感染はインフルエンザA型が多く、今年の流行の傾向が予測される。
 09年に「新型インフルエンザ」が世界的に流行し、わが国でも大きな騒ぎになったことは記憶に新しい。多くの国民が免疫を獲得しておらず、ワクチンも間に合わなかったため、秋にかけ大規模な流行が起きた。新型インフルエンザウイルスも、11年3月には通常の季節性インフルエンザとして扱われるようになった。
 その猛威は以前とかわっておらず、ワクチンも万能ではない。しかし発症を予防できなくても、症状の深刻化を食い止める効果はある。高齢者や、他の疾患をもち、免疫力が低下している場合には、肺炎に移行し重篤な結果を招きかねないので、ワクチンの接種は大切だ。
 この時期、病院に限らず、特別養護老人ホームなど高齢者を受け入れる施設は、感染対策に神経をとがらせている。一般の人たちの訪問を制限したり、医療機能のない施設では、インフルエンザにかかった入居者を一定期間、自宅に戻すなどの対応をしているところも。反面、さまざまな事情で高齢者を施設に預けている家庭では、高齢者のケアに支障が生じる場合も出かねない。ヘルパーの派遣などで対応できればよいが、ケアが行き届かないケースが生じるのが心配だ。
 インフルエンザは普通の風邪と異なり、発熱のほか頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状が現れる。高齢者では体のあちこちの痛みにより、行動が制約されたり、それまで難なくできていたことが困難を伴うことがある。そのため介護を必要な高齢者の場合には、一時的にその負担が倍加することも。
 高齢化社会の進展により、単なるインフルエンザの流行といえども、さまざまな問題が生じてくる。財政の制約はあるが、福祉施設における感染症対策を進めてほしい。職員の献身的な努力はあるものの、現状はウイルスの侵入を確実に防ぐことは困難が伴う。また仮に感染しても重症化を防ぐため、副作用などに注意しつつもワクチンの接種を進めることが肝要だ。まずできることから始めたい。

 
 
 

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