「論説」家庭の省エネエキスパート 求められる診断推進の具体像

更新日:2011年 9月 6日 (火)

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 わが国の省エネ技術は、最高水準にあると言われている。一方で、省エネがもっとも進んでいるのは製造現場と言われている。となれば、製造現場以外の省エネをどう推進すべきかという課題が浮上してくる。
 かつては環境対策として語られることの多かった省エネだが、3・11以降は電力不足対策という差し迫った課題になってきた。
 夏場を迎えるに当たって開催された省エネセミナーでは、製造現場のみならず、オフィスビルの省エネについても、ビル全体の状態を把握するための診断を行い、計画的に実施していく手法が紹介されていた。
 省エネ意識の高まりから、このような手法がオフィスビルに浸透していくのであれば、最後に残るのは家庭における省エネということになる。
 そこで、省エネルギーセンターでは、家庭の省エネを推進するための人材の発掘や育成をねらいとした制度を、2段階にわたってスタートする。
 第1段階は「家庭の省エネエキスパート」。
 エネルギーの基礎と家庭の省エネ、機器による省エネ、住宅の省エネなど、総合的な知識を持ち、これを活用して地域や企業で活動できる人材を、検定によって認定する。
 どのような活躍をするのかについては、家庭、地域、学校など身近なところから始まる省エネ活動や、企業や自治体が行うさまざまな省エネに関する取り組みをサポートする場面を描いている。
 第1回検定は、12月11日に全国5会場で実施する。申し込みは今月20日まで。家庭の省エネに取り組む意欲のある人ならば、誰でも受けることができる。検定料は、公式テキストと合わせて1万円。
 第2段階は「家庭の省エネ診断エキスパート」(仮称)。
 「家庭の省エネエキスパート」の検定に合格した人で、具体的な省エネ診断や改善提案を行うための研修を受けた人を認定する。来年度以降に実施する予定。
 家庭で行える省エネ活動といえば、これまでは無駄な電気の使用を控えたり、省エネ家電に切り替えたりすることがほとんどだったが、家庭全体の現状を診断し、改善を促すというのは新しい流れ。
 しかし、漠然とした疑問も浮かんでくる。工場やオフィスで省エネ診断を受け、提案に基づいて改善に取り組めば、エネルギーコスト削減という経済的メリットが生まれる。
 経済的メリットが、診断を受けたり省エネ活動を行うのに必要なコストを上回るのであれば、省エネ推進の大きな力となる。しかし、家庭の場合は、そこまでの経済的メリットが得られる場面が描きづらい。普及拡大に向けての具体的イメージが求められる。

 
 
 

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