ドラッカーブームの到来

更新日:2011年 7月29日 (金)

 なぜか少し前から、ドラッカーがブームとのこと。高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント・エッセンシャル版」を読んで胸を打たれ、教えを実践して甲子園出場を目指す青春小説が、ベストセラーになったのを契機にしての動きとか。
 書店には、何冊ものドラッカー本が並んでいたりする。とりわけ目を引くのが、ドラッカー理論を図解などで説明している、いわゆるノウハウ本。
 欧米の書籍の翻訳は、少ない言葉で思いを伝えることに慣れてきた日本人には、説明過剰で読みにくく、その傾向は小説などよりも理論書に顕著。
 このため、図を用いて簡略に説明するノウハウ本が好まれるのだろうが、この方式だと筆者の息遣いや匂いのようなものが抜け落ちてしまい、単なる情報になってしまう。
 コミュニケーションとは知覚であり、期待であり、要求であり、情報とは違う、とドラッカーが書いているように、単に情報を入手するのではなく、書籍を通じて筆者とのコミュニケーションを実現するには、できるだけ斜め読みを避け、時間をかけて読破していくしかない。
 青春小説の主人公である高校野球の女子マネージャーが読んだ「マネジメント・エッセンシャル版」は、ドラッカーのマネジメント論のエッセンスを抜き出し、再編集したもので、入門書として読む人にも、改めて再読する人にも、比較的読みやすい1冊。
 出版されたのは2001年。日本の読者に宛てた前書きの中で、本書は今日の日本にとって特に重要な意味を持つ、と記している。
 ドラッカーのマネジメント論は、1950年代、60年代の経験から生まれ、日本を戦後の廃墟から世界第2位の経済大国へと発展させた、日本型経営が形成された時期でもあったという。
 この時代の経験から、マネジメントには基本と原則があり、環境がどうであれ、基本と原則に反していれば、例外なく時を経ずして破綻を招くものであり、状況に応じて適用すべきものではあっても、断じて破棄してはならないものだ、と指摘。
 ところが、当時成功をおさめた経験豊かな経営者でさえ、それらの基本や原則を十分把握していないことに気づいたので、基本と原則を総合的に明らかにすることにした、と述べている。
 第1章は、ほとんどの人が企業とは営利組織であると答えるが、間違っているだけでなく的外れである、と語るところから始まる。利益は目的ではなく条件であり、企業の目的は顧客を創造することだという基本と原則を再確認するだけでも、長引く混迷の時代を生き抜いていくための支えとなるはずだ。

 
 

2011年 7月29日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2011年7月 > 29日 > ドラッカーブームの到来...