「論説」有権者が変革へ強い期待 圧勝に責任重い大村、河村氏

更新日:2011年 2月 8日 (火)

Twitter Facebook LINE Linkedin
 

 愛知県知事選で元自民党衆院議員の大村秀章氏(50)、名古屋市長選に前市長の河村たかし氏(62)がいずれも当選した。6日午後9時59分、名古屋市内の会見場に現れた2人は、事前の勝利を予想していたのか、カラー刷りの共同マニフェストを配布し、「中京独立戦略本部」を立ち上げることを高らかに宣言した。
 閉塞感が社会を覆っている。先行きの見通しが立たないなかで、有権者は変革を強く求めている。既成政党の候補でなく、両候補を圧勝させたのは有権者の変革への思いが強いからだろう。それだけに、大村氏、河村氏の責任は重い。
 大村氏、河村氏は減税など分りやすい政策とパフォーマンスでブームを巻き起こした。大勝した両候補がこれから取り組むべきことは、変革への具体的な筋道をつくること。河村氏は度々「革命」という言葉を使う。過去の歴史をみると、多くの革命政権は破壊の後に新しい仕組みをつくる力がなく、崩壊していった。必要なのは、現実への具体的な取り組みである。有権者の変革への思いを失望に変えることなく、期待に応えてほしい。
 県民税、市民税の10%減税については、1300億円から2000億円の景気浮揚効果があるという。その一方で、財政がこれほど悪化したなかで、実施するリスクとの兼ね合いはどうなるのか。
 「中京都構想」は共同マニフェストによると、「道州制の受け皿」の狙いもある。行財政の行き詰まり打開のために、枠組みの見直しが避けられない。しかし、道州制について名古屋など中心都市では違和感がないがものの、周辺部の抵抗感は根強い。三重県知事は昨年末の会見で、批判的な見解を示した。
 「中京都構想」は同じ立場の2人が進めるだけに実現しやすく、道州制など新たな枠組みへの突破口としての役割が注目される。しかし、地方のコンセンサスも得て、広域連合を成功させるには、地道な取り組みが必要であり、声が大きいだけでは成功しない。
 愛知県と名古屋市の2重行政は特別な仕組みをつくらなくても、解消できるものがあったが、これまで手が付けられなかった。2人がタッグを組むことで、2重行政解消が進みやすいのは確かだ。そのためには、河村氏と大村氏の役割分担をはっきりしてほしい。6日の会見、年上で首長経験の長い河村氏が答弁を主導し、大村氏はそれに添う形だった。「中京独立戦略本部」の議長は2人が交互に務める方向という。本当にそれで会議の方向性がぶれないのか。
 変革への期待を背景に、2人は圧勝した。当選後に水をかぶるほど元気な河村氏、まだ50歳の若さの大村氏。注文をつけつつも、二人三脚に期待したい。

 
 
 

2011年 2月 8日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2011年2月 > 8日 > 「論説」有権者が変革へ強い期待...