「論説」薄型大型TVとライフスタイル リフォーム需要喚起の効果も

更新日:2010年 9月28日 (火)

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 今年の5月ごろだったか、購入の機会を探っていた52インチの薄型テレビを予約した。検討を重ね、このサイズに的を絞っていたが、もともとは50万円クラスの高額商品だったので、手が出せなかった。
 値段は下がり続け、ついに新製品の店頭価格で30万円を切る水準にまで下落。今年から次世代型は3D機能付きと位置づけられたことから、3D機能のない機種の新製品価格が大幅に引き下げられたのだ。
 クルマと同様に、新製品は欲しくてもすぐには入手できないとのことなので、予約して家に届くのを待った。長年の夢が実現するので、ホームシアター機能付きのラックも注文した。
 テレビが日本で初めて登場した時代に少年期を過ごした者にとって、テレビは何歳になっても思い入れの深い特別な家電製品。
 しかし、薄型大型テレビを売り場とも事務所とも異なる家庭のプライベート空間に設置して、実際にハイビジョン放送を映し出してみると、従来のブラウン管テレビとは別物であることが分かった。
 ブラウン管テレビの時は、画像の中で中心的役割を担う対象物に視線が集中するが、大型テレビで鮮明なハイビジョン画像を見ていると、時には背景の小さな物に目を奪われることがあり、現実よりも美しい風景を眺めているかのような映像体験にひたることができる。
 映画館とは異なり、録画した映像は自分の意思で再生できるので、興味深いシーンを繰り返し見ていると、思い掛けない発見をすることもある。使い方次第で、ひとつの映像から得られる情報量は増大し、人と映像文化の関わり方を変える可能性を秘めている。
 さらに、買い替えを体験してみて、居住空間におけるテレビの影響の大きさにも改めて気づいた。
 ブラウン管の大型テレビは奥行きが深いので、豪邸でない限り、部屋の角を利用して設置せざるをえない。このため、テレビを見ながらの生活では、視線はテレビが設置してある角に向かって固定化され、部屋の対角線に沿った暮らしを余儀なくされる。
 ところが、薄型テレビは壁に沿って設置できるため、視線の動きのみならず家具の配置など、ブラウン管テレビが部屋を占領する以前の、四角い部屋になじんだ暮らしを取り戻すことができる。
 この変化に気づいた人は、思い切った部屋の模様替えをしたくなるのが人情。地デジ対応のみならず、薄型テレビの魅力にひかれる人が増えていけば、新たなリフォーム需要の喚起につながるはずである。

 
 

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