COP15と今後の課題・「利害対立」解消へ課題山積

更新日:2009年 12月22日 (火)

 気候変動枠組み条約第回締約国会議(COP15)は、政治合意「コペンハーゲン協定」を全体会議で採択することを断念、協定に「留意する」との表現に止まり、極めて残念な結果に終わった。同協定の内容は、先進国は2020年の国別の温室効果ガス排出削減目標、途上国は行動計画を決めるとし、法的な強制力を持たないものだったが、これさえ採択できなかったことで、事実上COP15は失敗に終わったと言わざるを得ない。
 議論の進め方に問題があったのかも知れない。約120カ国の首脳を集めて2週間の会議を行ったにもかかわらず、協定案づくりに参加したのは日米欧、中国、インドなど主要26カ国。これに加わらなかった途上国から「議論の進め方が不透明」などと不満が噴出。全体会議はまさにエゴとエゴのぶつかりあいの様相を呈していた。
 全体会議が設けられていたにもかかわらず、主要な議論は非公式の協議で行われた観があった。先進国と途上国の利害の対立が解けず、ほかに方法が無かったのかもしれない。しかし多くの国が参加し、議論の結果積み上げらた協定でないと、実行力を失う。「会議は踊る」ではないが、このような多国間の協定をまとめる難しさを思い知らされた。
 オバマ米国大統領は、今回の会議について「重要な進展があった」と評価したが温暖化対策には「これだけでは不十分だ」と述べたという。産業革命以来の気温上昇を2度より低くすることを目指すという協定の趣旨に対しても、一部の途上国からは生ぬるいとの批判が出た。確かに、現在進行形で海面上昇に悩まされている国や、頻繁な干ばつに見舞われているアフリカ諸国は、いてもたっても居られないことだろう。一方で、貧しさから抜け出るためには、協定が重荷になってはかなわない、という国も多い。途上国間でも利害が対立する温暖化問題に、適切な解を見出すのは人智を超えているのかもしれない。
 それでも歴史の歯車はわずかながら進んだと肯定的に捉え、今後の国際的な行動の礎にするしかないだろう。今回の会議に何らかの意義を見出すとすれば、それしかないともいえる。今回の結果を眺めて、来年名古屋市で開かれる「COP10」では、少しでも実りある結果が出ることを切に希望する。

 

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