一進一退の景気動向・日本経済の現状打ち破る政策を

更新日:2009年 12月15日 (火)

 景気の改善が、折からの円高などで遅々とした歩みになっている。
 日銀が14日、発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の業況判断指数(DI)は、大企業製造業ではマイナス24となり、前回9月調査に比べると9ポイント改善した。自動車などの輸出の回復が貢献し、昨年12月調査と同水準にまで回復した。しかし、内需に関係が深い大企業非製造業のDIは回復力が鈍く、小幅の改善に止まっている。
 一方、中小企業製造業のDIは、回復したもののマイナス40止まり。大企業との格差は相変わらず大きい。雇用吸収力の大きい中小非製造業の回復力の鈍さもあって、雇用の過剰感も依然大きい。
 心配の種は、大企業製造業の09年度設備投資計画が前年度比28・2%減で、過去最悪のマイナスとなっていること。7~9月期のわが国のGDP成長率が、年率換算で1・3%増と大きく下方修正されたのも、企業の設備投資の弱さが原因。依然として大きな需給ギャップがあるため、企業が増産投資に慎重になっていることはわかる。しかし設備の更新が滞ると、生産性が伸び悩み、活発に投資を行っている新興国との競争力に問題が出てくる。人件費格差とともに、設備の格差により衰退したわが国の繊維産業の轍を踏んではならない。
 企業は設備投資ばかりでなく、新卒採用にも慎重になっている。10年度の大企業の新卒採用計画は、前年度比30%減と過去2番目の低さ。このため大学生の内定率は前回の就職氷河期に匹敵する低水準で、年末になっても内定を得られない学生は、正月を迎えるどころではない。高校生の内定率はさらに低く、雇用不安から若者の消費がシュリンクすれば、内需型企業にとってさらに痛手となる。
 12月短観の中身は、社会に漂う閉塞感を打ち破るものではなかった。政府の事業仕分けも良いが、需要不足に陥っている日本経済の現状を打破するためには、他の方策が必要だ。エコポイントや省エネ車支援などは、消費喚起の呼び水として、それなりの効果は上がった。今は、このような施策を他に広げる方が、政策効果は高いのではないか。

 

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