エコカー補助延長と自動車生産・チャンスは最大限に活用

更新日:2009年 11月20日 (金)

 燃費に優れたエコカーの購入に補助金を出す制度は、国内の自動車販売回復の起爆剤になった。半面、来年4月以降の「補助金切れ」で、反動減を予測する向きが多かった。
 そのため、政府は2009年の第2次補正予算案に盛り込む追加経済対策に、同制度を6カ月程度延長する検討に入った。省エネ性能の高い家電製品の購入を促すエコポイント制度も9カ月延ばす方向で、麻生前政権の「遺産」の中でも即効性の高いものは継続しようというわけだ。
 具体的な対策の規模は今後詰めるとされているが、断熱性が高い住宅などが対象の「住宅版エコポイント」創設も検討されており、財源問題も含め早急に具体化してほしい。
 エコカー補助では、ハイブリッド車(HV)人気で、補助金がもらえる来年3月末までに納車が間に合わない事態になっている。このため、さしものHV人気もかげりが生じており、対策の延長は市場のカンフル剤になる。トヨタの世界販売が15カ月ぶりに前年を上回ったというものの、今年度中に支援策が途切れれば市場は再び収縮に向うと予想されていた。このため期間従業員の採用などにも及び腰で、地域の雇用環境がいま一つ好転しない原因にもなっていた。
 もっとも、中国はじめ世界各国の支援策は年度末にかけて相次ぎ終了するため、わが国の対策延長だけでは効果が限定されるとの見方もある。
 公共事業の削減や、事業仕分けで予算を削っている最中に、特定の業界にのみ有利に働く対策を疑問視する向きもあるだろう。しかし、自動車や住宅の波及効果や、雇用への影響は依然として大きなものがある。対策によって自動車の生産量が「底上げ」されているうちに、自動車業界も利益の出る車作りや成長性のある新興国へのシフトなど、改革に取り組む時間的余裕が生まれる。このチャンスを生かさなければ、後は無いという背水の陣で取り組んでほしい。
 現在の自動車の生産量は「砂上の楼閣のようなもの」という大手自動車メーカー幹部の声もある。そうはならないように、さまざまな施策により目配りするのも政治の役割だと思う。

 

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