論説 再び騰勢強めた原油市況

更新日:2009年 6月 9日 (火)

Twitter Facebook LINE Linkedin
 

 世界的な景気回復の兆しはあるものの、先行きはなお不透明。そんな矢先、ニューヨーク市場の原油先物相場は騰勢を強めている。
 先週末、5日のNY原油相場7月物は一時、1バレル=70ドルに乗った。その後、反落したものの、68ドル台と高値水準を維持した。米雇用統計で就業者数が予想ほど減らなかったことなどを好感したというが、再びマネーゲームの様相を示している。
 米ゴールドマン・サックスは、景気回復につれて需要が増え、今年末に85ドルに上昇するとの見通しを示している。しかし昨年の市況高騰の折には、150ドルを超えて高騰するとの予測もあり、額面通りに受け取る必要はないだろう。
 原油相場は今年に入り、一時、30ドル台前半まで下げていた。すでに安値から2倍以上の水準になり、高値警戒感も出てくるはずだが、金融市場の安定化や米国経済の底入れ気配から、リスクを取ろうとする投機筋が息を吹き返したようだ。
 アジア株や穀物市況も軒並み底を打ち、水準を切り上げている。世界経済はいまだ多くの問題を抱えているとはいえ、谷が余りに深かったため、リバウンド狙いの買いが入りやすい環境にはなっていた。景気対策や企業救済の目的で、世界各国で多くの公的資金が投入され、それが回り巡って市況を押し上げる力になっているのではないか。
 もっとも、それが長続きするかどうかは別問題だ。多くの先進国が史上空前の国債発行を続けている。金融危機の震源地だった米国でも、大量の米国債の引き受け先が注目されている。今のところ中国が大量購入しているが、今後、金利の上昇を懸念する向きは多い。
 原油市況が今後も値上がりをつづければ、低燃費のハイブリッド車の売れ行きは更に高まろう。昨年までと異なり、比較的低価格で大量供給できる環境が出来上がっている。ガソリン価格が上がれば上がるほど、ハイブリッド車のコストパフォーマンスが高まり、販売好調は加速しよう。それは将来的にガソリン需要の減退につながり、原油市況の頭を押さえる。このように様々な要因が絡みあい、今後を見通すのは一筋縄ではいかない。

 
 

2009年 6月 9日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2009年6月 > 9日 > 論説 再び騰勢強めた原油市況...