論説 低迷続く米国自動車販売

更新日:2009年 6月 5日 (金)

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 米国の自動車販売がいぜん低迷を続けている。5月は対前年比33・7%減と8カ月連続で30%超のマイナスが続いた。減少率は4月よりは改善したものの、市場の改善の兆しは見られない。
 なかでも日本車の不振が目立った。トヨタ、ホンダは前年比40%超のマイナスで全体のシェアを引き下げた。半面、フォードが24・2%減に止まりシェアを引き上げたが、米ビッグ・スリーの中で唯一経営に不安がないことが好感されたのだろう。
 最近の原油の値上がりも、米国市場にとってはマイナス。かといって、燃費に優れる日本車が買われたわけでもなく、市場そのものが萎縮してしまっている。
 昨年の5月ごろは、まだ環境に優しい車を購入しようとの動きも見られた。しかし、最近のおしなべての販売不振はどうしたことか。自動車が高額商品なだけに、金融情勢の不安定さが解決されないことには、消費者の購買意欲が戻らないのではないか。
 わが国の自動車メーカーにとっても問題は尽きない。国内市場はエコカーへの補助やハイブリッドカー人気により、水面下ながら最悪期は脱したもようだ。ドイツ、フランスなどでは低燃費車での助成により、自動車販売の増加に寄与している。米国上院も、低迷する自動車販売をてこ入れするため、新車購入の補助を立法化する検討に入った。これらによる需要上積み効果に期待したいが、期限を限定して導入した場合、需要の先食いに終わる可能性がある。この点、十分留意してほしい。
 ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーが破産法適用申請で市場から脱落しているため、唯一健全なフォードに顧客が集まり、シェア回復につながった。半面、トヨタなど日系メーカーがさえないのは顧客の「バイ・アメリカン意識」が微妙に反映しているのだろうか。今後の帰趨を待つほかないが、気にかかる。
 市場が縮小する中で、各国のメーカーが入り乱れて販売攻勢を行えば、値崩れが生じ業界の疲弊が増すのはいつものこと。極端な安売り合戦は不安定な市場を荒らし、顧客サービスの低下につながりかねない。節度ある企業行動が求められる。

 
 
 

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