論説 GDP急落の行方は

更新日:2009年 2月17日 (火)

 世界的な経済危機でわが国の二〇〇八年十―十二月期の国内総生産(GDP)成長率は、歴史的な急落となった。実質で前期比年率12・7%減という水準は、第一次石油ショック後の一九七四年一―三月期の年率13・1%減以来の落ち込みとなった。
 GDPの足を引っ張ったのは主に設備投資と輸出。様々な統計や景気の実感とも符合する。輸出や設備投資は、一月になっても減速の度合いを強めており、今年一―三月の見通しも極めて厳しいものがある。
 十―十二月期の二ケタのマイナス成長は事前に予測されていたため、株式市場への影響は少なかった。しかし一―三月期はまだ不透明で、予想以上に悪い数字が出れば、市場の下押し要因になりかねない。
 地元の証券系シンクタンクでも「個人消費が回復の見通しが立たず、輸出や景気の先行指標である機械受注の動向を見ると、かなりのマイナス成長を覚悟しなければならない」という。
 もし一―三月期も二ケタのマイナス成長が続くようだと、戦後では初めて。すでに「戦後最悪の経済危機」(与謝野馨経済財政担当相)との認識は持たれており、新たな経済対策が必要となるのは必至だ。
 経済の悪化は世界的だが、主要国の十―十二月期の実質GDP(年率換算)は、ずいぶんばらつきがある。
 金融危機の震源地の米国が3・8%減と比較的落ち込みが小さかった半面、韓国20・8%減、シンガポール16・9%減と輸出比率の高いアジア諸国の悪化ぶりが目立つ(ユーロ圏は5・7%減)。外需主導の経済構造があだとなり、厳しい経済の収縮に見舞われているのはわが国と共通する。
 GDPの中で圧倒的な比率を占めるのは個人消費。これが回復しないことには経済は上向かないが、これまで個人所得の向上を置き去りにしてきたツケが回っている。政府や経済界も輸出主導の経済構造は、危機に対してもろいことは骨身にしみて認識したことだろう。このような観点から、経済対策は、個人の可処分所得を向上させるような実効性あるものを望みたい。経済が総崩れとなるような事態は、何としても避けねばならない。

 
 

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