論説 物価高と緊急経済対策

更新日:2008年 8月26日 (火)

 ガソリンなどの物価高や景気の後退をにらみ、減税をめぐる議論がにわかに高まっている。今年第2四半期の実質GDP成長率は年率2・4%のマイナスとなり、政府・与党も緊急経済対策を迫られることになった。
 福田康夫首相らは、月末をめどに総合経済対策を策定し、来月開く臨時国会で補正予算編成が必要との認識で一致し、それに向けた作業を進めることにしている。財源については大型補正編成のため、赤字国債が必要との考え方も出ているが、財政規律の面から難しいとの見方も多い。確かに従来のようなばらまき型対策では、いずれ財政の破綻を来たし効果は薄い。財政出動をするにしても費用対効果をよく考えなければならない。
 今回の経済対策の重点は、何といっても物価高騰に対する国民生活の不安解消。今のところ高速道路料金の割引拡大や中小企業対策がメーンと見られる。また定額減税の必要性も議論されているが、与党間で意見の一致を見ていない。
 国民生活を脅かす最たるものは、ガソリンや灯油、食料品など生活必需品の高騰。特に寒くなる季節に灯油価格が高止まりするようだと、寒冷地を中心に生活の圧迫度合いがきつくなる。灯油購入補助などの形で低所得者に対する支援が是非とも必要だろう。
 これらはばらまきなどではなく、憲法で保障された国民の文化的生活維持のために、政治がやらなくてはならないことだ。高速道路の割引拡大も、ドライバーや運輸業界には福音で大切だが、それと同時に地方の生活者のための施策にもカネを出し惜しむべきではない。今回の景気回復の恩恵が大都市の比較的恵まれた層に偏っていたことを考えると、地方にキッチリ還元させる方策を考えるべきではないか。
 また、経済対策では非正規雇用対策も避けては通れない。内需を縮減させ少子化にもつながる、いわゆるワーキングプアーの存在を放置すると、将来のわが国の発展の芽を摘みかねない。総花的にはならず、真に必要とされるところに必要な対策を施すことは、言われるほど簡単ではない。しかし、その努力を怠っては、わが国の将来に展望は見えない。

 
 

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