
「ライフスタイルに適した魅力のある商品を投入しないといけない」と語る川本社長
INAXは、2011年3月期の連結売上高を08年3月期比12・2%増の3600億円とする中期経営計画を策定した。海外売上高を同3倍の240億円、リフォーム売上高(建材を除く)を同4割増の1000億円にそれぞれ引き上げるのが柱となる。国内の新築市場が頭打ちとなる中、いかに次代の収益事業を育て上げるのか。川本隆一社長に今後の方針、経営戦略などを聞いた。
―中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)市場を重点エリアに位置づけている。
「中国では高級品の需要が堅調に推移している。今後も富裕層をターゲットにしていく。これまでは当社が小売りまで手がけてきたが、中国全土の十一の中核都市に販売代理店を置き、売り上げを伸ばしていくことにした。ASEANは、まず生産拠点のあるベトナムの周辺国から販売していく。今年四月にマレーシアに販売会社を設立しており、タイやミャンマー、シンガポールに売り込んでいきたい」
―米国にも本格参入する方針を打ち出したが。
「米国市場には高機能商品があまり出回っていない。(当社の製品は)高い節水や洗浄技術を内蔵しているので、競争力は十分にある。今下期にはニューヨークに販売拠点を開設して、カリフォルニアとの二拠点体制にする。現地の企業とも販売提携し、全米をカバーできる体制にする。米国の住宅実需は根強く、サブプライムローン問題の影響は限定的なものと考えている」
―国内のリフォーム市場は拡大している。
「リフォーム適齢期の住宅が増え、より一層の潜在需要が見込める。ライフスタイルに適した魅力のある商品を投入しないといけない。来年にかけて、商品ラインアップを増やしていきたい。リフォームは新築と違い、消費者が初期の段階でショールームに訪れる機会が多くなるので、ショールームの数を六十店から七十二店に増やす。設計事務所や工務店を紹介したり、アフターメンテナンスも提供できる体制を整え、リフォーム需要を『創造』していく」