メッセナゴヤ2020オンライン 開催
「メッセナゴヤ2020」が16日午前10時、オンラインで開幕する。今回で15回目を迎えるメッセナゴヤは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、初のオンラインでの開催になる。
メッセナゴヤは年を追うごとに出展者、来場者ともに増え続けてきた。昨年は1442社・団体が軒を連ね、来場者は6万2400人を超えた。出展者、来場者は地域や業種の垣根を越え、日本最大級の異業種交流展示会。
その要因は、確かな「ビジネス効果」に尽きる。出展者は開催時期に照準を合わせて新製品、サービスをつくりだし、来場者は新たな商材や提携先を見つけだす。マッチングの効果が数字を積み上げてきたようだ。
リアルからオンラインに変わった今回、どんな効果が期待できるだろうか。
まずひとつは、会期が大幅に長くなったこと。これまでの4日間から26日間に延び、出展者も来場者も会期中は時間や場所、天候の制約を受けることなくアクセスできる。
システムの後押しも大きい。オンライン上での名刺交換やメールのやりとり、AIマッチングは4つの質問に答えるとAIが最適な出展者を導き出す。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これまでとは異なる新しいビジネススタイルが求められる。初のオンラインを通じて、リアル展示会では体験できない、予想外の出会いや交流が生まれるかもしれない。
オンラインで新たな出会い 576社・団体が出展
例年1400社以上の企業・団体が出展し、盛大に開催されるメッセナゴヤ。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初のオンライン開催となる。会期は、きょうから12月11日までの26日間。576社・団体が出展し、AIマッチングシステムを活用した新たなオンライン展示会となる。来場方法や見どころを紹介しよう。
出展企業576社・団体の内訳だが、分野としては最新技術・独自技術の提案が164社、次いでコスト低減・小型軽量化・効率化の提案90社となっている。業種別では製造業が半数以上の308社で次いでIT・情報通信の66社となっている。
来場には、事前の来場者登録(無料)が必要だ。まず、メッセナゴヤオンラインの公式サイトで新規登録の画面から入力フォームへと進み、氏名や企業名、所属部署、住所、e-mailアドレスなどを入力する。
パスワードの設定も同時に行う。入力したe-mailアドレスが来場者IDとなり、入力終了後、登録したアドレスに仮登録完了のメールが配信される。メールに記載されているアドレスをクリックして登録がすべて完了となる。
登録後、マイページができあがり、ここから出展者の検索が可能になる。フリーワード、業種、出展分野、保有技術で検索ができ、気になる企業を見つけたら詳細をすぐに確認しよう。
オンライン展示会は初めてという人にもわかりやすく、使いやすい仕組みになっている。利用できる機能が一目でわかる一覧メニュー、おすすめの出展者情報が表示されるAIマッチング結果、自分の名刺情報が表示されるオンライン名刺、オンライン上での名刺交換サービスなど盛りだくさん。気になる出展者を見つけたら、オンライン名刺交換・メッセージ交換でアプローチを試みよう。
また、「AIマッチング」ページの条件を入力すると、AIが最適な出展者を瞬時に紹介してくれる。リアル展示会では体験できないような、思いもよらない出会いやビジネス交流が期待できそうだ。
例年、さまざまなテーマで実施されているセミナーもオンラインで開催される。
ビジネスセミナーは「『顧客の発見と創造』に向けた新商品・事業創出~作り手と買い手と共に事業開発していくマクアケの新製品開発~」と題してマクアケ共同創業者で取締役の木内文昭氏が、「プロスポーツによる地方創生~茨城ロボッツの挑戦~」をテーマに茨城ロボッツ・スポーツエンターテイメント社長の山谷拓志氏が講演する。
セミナー・フォーラムは「新エネルギー情報発信シンポジウム2020」が2部構成で開催される。
第1部は基調講演。「新エネルギー施策の最新状況について"再エネ主力電源化の早期実現"」をテーマに資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課再生可能エネルギー推進室長の杉浦孝志氏が講演する。
第2部はパネルディスカッション。愛知工業大学工学部教授の鈴置保雄氏をコーディネーターに、パネリストとして中部電力技術開発本部技術企画室企画グループの清水雅仁氏、岡崎さくら電力取締役の平形直人氏、トヨタ自動車新事業企画部担当部長の中西勇太氏を迎える。
「次世代自動車フォーラム2020」は2つの講演が行われる。
講演1は「燃料電池(FC)フォークリフトの取り組み」をテーマに豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー産車用FCプロジェクト主査の吉川浩二氏が、講演2は「自動車の知能化に貢献する高精度地図と位置推定」をテーマに名城大学理工学部メカトロニクス工学科准教授の目黒淳一氏が講演する。
「リニア特別セミナー」は「リニア中央新幹線の経済効果―コロナ禍を踏まえて―」をテーマに南山大学総合政策学部教授の石川良文氏が講演する。
「ミライ製品開発!メッセラボ"メッセナゴヤ2020×具現化ソン"」として、企業と学生の新製品開発に向けたオープンイノベーション事業も行われる。
産学連携のものづくりを支援する未来マトリクスと協力し、学生の独創性に富んだアイデアを生かした新たな製品開発を目指す。
オープンイノベーションセミナーでは、名古屋大学工学部教授の宇治原徹氏が、「真に人のためのものづくり」について語る。
大学生による新製品アイデアピッチでは学生の創造力と突破力、連携力を生かし「新しいものづくり」を進めている。未来の社会に必要なアイデアをプレゼンテーションで紹介する。
「シーズ」と「ニーズ」をつなぐ 「メッセBIZ」オンラインで開催
ものづくりに特化した「シーズ」と「ニーズ」をつなぐマッチングサービスを展開するリンカーズとメッセナゴヤの共同企画「メッセBIZ」。大手から中堅企業の最新ニーズと中小企業の技術シーズをマッチングさせる商談会をオンラインで開催する。
リンカーズのネットワークを通じて集めた大手から中堅企業のニーズ情報に参加者がエントリーし、商談をセッティングする。参加者にとっては、なかなか出会うことができない大手・中堅企業の発注担当者の生の声を聞くことができるのも魅力の一つだ。
発注側の企業にとっても、自社のニーズを解決するパートナーを広く募った上で、じっくりと相手を探しだす見合いの場になる。
リンカーズが事前にヒアリングした大手・中堅企業の最新ニーズは、メッセナゴヤのホームページ上に公開されている。案件の発注元はアイシン精機、大阪ガス、大成建設など大手中堅から13社。工場のゼロエミッション対応技術や廉価省エネ技術、マイクロ波レーダー技術など多業種にまたがる案件が合計78件掲載されている。
参加者が商談希望のニーズに「申込フォーム」を通じて12月4日までにエントリーする。参加者はエントリー項目を通じて技術力・アイデア・課題解決力をアピールする。
発注者は提出されたエントリーシートをもとに精査し、商談できる参加者を決めてオンライン商談に臨む流れだ。エントリーシートの提出のタイミングや内容によって商談に臨めない参加者についても、情報はすべて発注企業に渡される。すべての参加者に受注獲得のチャンスがあるというわけだ。
独自の技術を持っていても、中小企業は生かせる場面は少ない。技術の活用はもちろん、販路拡大をもくろむ中小企業にとっても商談会は格好の場になりそうだ。