都市再開発特集
シェアオフィス続々
オフィス・自宅に続く、第3のワークプレイス
シェアリングエコノミーが
切り開いた新市場
新型コロナの影響でリモートワークが広がるなか、シェアオフィスに代表されるフレキシブルオフィス市場の存在感が一段と強まっている。もともとシェアリングエコノミーの台頭で利用者を増やしており、名駅エリアでも2019年にオープンしたインキュベーション(創業支援)施設「なごのキャンパス」をはじめ、シェアオフィスを展開する事業者が増加。市場として拡大傾向にある。
サービスの多様化・細分化が進んだこともあり、事業者によって「シェアオフィス」「コワーキングスペース」「レンタルオフィス」など、様々な呼称が使用されている。一般にシェアオフィスは、ひとつのスペースを共有して使うのが特徴。完全個室のレンタルオフィスとは違い、間仕切りがなく席を自由に選べる。加えて共有部を充実させ利用者同士の交流を促すのがコワーキングスペースと呼ばれるタイプだ。いずれも個人が気軽に利用できて、初期費用や維持費が比較的安く済むというのがメリット。普及し始めた当初は資金に乏しい設立直後のスタートアップや、クリエイターなど個人事業主の利用が中心だったが、最近はスタートアップと接点を持つことで新規事業の立案につなげようと大企業の利用も目立っている。
三幸エステート名古屋支店長に聞く
名古屋オフィスビル市況
各エリアでオフィスの空室率上昇
新型コロナウイルスの影響により、オフィスビル市況は依然、厳しい状況が続いております。緊急事態宣言が解除され、ワクチン接種も進んできていることもあり、東京や大阪方面からの物件内覧者も増え始めてはいますが、新型コロナウイルスは、いまだ終息の目途がたっておらず、各企業がオフィス戦略を決めかねている事が要因と思われます。
名古屋市内(全規模)の空室率は、2021年6月末現在4.03%となり、2018年6月以来となる4%台に達しました。主要エリアの空室率も、名駅エリア4.3%、伏見エリア2.8%、栄エリア2.9%と、各エリアで半年前から上昇しました。特に名駅エリアでは、半年前から1.4%上昇しております。
ビルの規模別の空室率でも、大規模ビル(1フロアー面積200坪以上)2.6%、大型ビル(1フロアー面積100坪以上200坪未満)3.9%、中型ビル(1フロアー面積50坪以上100坪未満)5.8%と、ビルの規模にかかわらず空室率が半年前から上昇しました。特に大規模ビルの空室率は、2%台と低い状況が続いておりますが、半年前の空室率1.5%と比べると1.1%上昇しております。
今後、ワクチン接種が進むことにより、多くの企業がオフィス戦略を前向きに検討することが考えられます。その為、名古屋のオフィス需要が動き出すことが考えられ、名古屋の空室率は再び緩やかな低下傾向に転じることが期待されます。