都市再開発特集
地上も地下もリニューアル
栄、商業都市復権へ
名駅エリアの超高層ビル開発が一巡した一方で、再開発ラッシュに沸いているのが栄エリアだ。どこを見渡しても巨大な工事現場が目に飛び込んでくる。栄エリアのど真ん中では、中日ビルの建て替え工事が進行中。高さ約170メートル(地上31階、地下4階建て)の複合ビルで、2024年度の開業を予定している。そこから目と鼻の先にある市有地「栄広場」でも隣接エリアと合わせて、超高層ビルの建設が始まる。計画されている高さは約200メートル(地上36階、地下4階建て)。名古屋テレビ塔の180メートルを超え、栄エリア最高峰となる。栄広場は「都心に残る最後の一等地」といわれながらも、開発は長年手つかずとなっていたが、いよいよ2022年着工、2026年開業に向けて動き出す。
久屋大通公園のテレビ塔エリア(錦通~桜通間)と北エリア(桜通~外堀通間)では、今秋開業を控える新商業施設「RAYARD Hisaya-Odori Park (レイヤードヒサヤオオドオリパーク)」の工事が大詰を迎えている。名古屋市が策定した「栄地区グランドビジョン」に基づき、南北約1キロメートルにわたって約35店舗が出店。市民の日常的な憩いの場としての機能に加えて、ファッション、スポーツ、グルメ、コミュニケーション、リフレッシュなど多彩なサービスを提供する。整備・管理を担うのは三井不動産で、民間事業者が収益を挙げることができる「公募設置管理制度(パークPFI)」を用いた事業として日本最大級の規模となる。
栄エリアの進化は、地上だけではない。地下の〝街並み〟も変わる。昨年、開業50周年を迎えるにあたって大規模リニューアルしたサカエチカに続き、今年11月、セントラルパーク地下街がリニューアルオープンする。近隣居住者やオフィスで働く人たちが日常的に利用できるスーパーマーケットを中核に、総菜、弁当店なども集めた「食物販ゾーン」を新設。テークアウトに対応した飲食店も増やす。カフェを中心とした「軽飲食ゾーン」も改装する。