「論説」 消費のけん引役は シニア世代の需要獲得を

更新日:2013年 4月29日 (月)

 大型連休がスタートした。全国各地の観光地はもちろん、公園やショッピングセンターでもさまざまなイベントが行われており、家族連れなどでにぎわっている。
 きょうも「昭和の日」にちなんだ催しが企画されるなど大勢の人出が予想される。大分県豊後高田市の商店街で毎年行われる恒例の「ちゃぶ台返し選手権」は、まさに昭和に即したイベントとして定着、ニュースなどでも取り上げられるほどだ。
 この豊後高田市の商店街は、「昭和」をキーワードにして再生を図り、見事によみがえった商店街として知られている。
 全国各地にある多くの商店街はひん死の状況にある。商店街が最も元気で華やかだったのは昭和30年代から昭和40年代にかけて。しかし、クルマ社会の進展に伴って人の流れが変わり、中心市街地に陰りが見え始めた。平成に入ると、郊外へ大型店が相次いで進出し、中心商店街の空洞化は加速度的に進んでいったのは周知のとおり。
 以降、多くの商店街では平日だけでなく週末でも人通りが少なく、「人よりも犬や猫、カラスのほうが多いのではないか」とやゆされるくらいだ。
 豊後高田市の商店街は、昭和のまま取り残されていた商店街の「弱み」を「強み」に転換。年間観光客数はそれまでの10倍超となる25万~30万人まで拡大、元気を取り戻すどころか、それ以上に発展を遂げている。
 この商店街に限らず、多くの分野で昭和をキーワードにした企画や活性化策が講じられている。美濃加茂市にある日本昭和村や映画「三丁目の夕日」などはその代表的なものだろうが、図書館や博物館でも昭和を感じられるコーナーを設けるなどしている。
 昭和を満喫したいと考えるのは団塊の世代以上のシニア層が多い。豊後高田市の商店街を訪れる人をみても、やはりこの世代の人が多い。
 若者と違って、団塊の世代は高い消費意欲を持っている。総務省の家計調査をみても、若い世代になるにつれて消費性向は低くなっているが、シニア層は高い消費性向を維持している。これまでのエコカー補助金やエコポイントの政策についてもやはり中高年世代がけん引役を担ってきたのは言うまでもない。
 若者の購買意欲は依然として低く、今後も低迷が続くことが懸念されている。その一方で、シニア層の購買意欲は堅調なだけに、シニア世代の需要を取り込もうとするシニアビジネスは増えている。団塊の世代を消費市場として再認識しなければいけない。

 

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